ヴィテッロ・トンナートのレシピ
卵黄とツナのソースが決め手。日本で手に入る豚ロースで作れるピエモンテ発の夏の冷製料理です。アンチョビとケッパーがソースに深みを与え、一晩休ませることで味がなじみます。

- 調理時間
- 120分
- 人数
- 4名分
- 材料費
- 約¥2000
- 難易度
- ふつう

この料理について
ヴィテッロ・トンナートの起源は、18世紀のピエモンテにさかのぼります。当初はツナを使わず、アンチョビとケッパーで「マグロ風の風味」を作りだしていた料理でした。19世紀にリグーリア経由でオイルサーディンが広まると、現在のようにツナが加わるようになります。名前の「トンナート」については、ツナを意味するイタリア語の言葉に由来するという説と、肉の調理・保存の技法そのものを指す言葉だったという説が共存しています。サヴォイア宮廷の食卓から生まれたと伝えられるこの料理は、今日もピエモンテの夏の定番として前菜あるいは主菜として食卓に並んでいます。
3つのレシピ、ひとつの料理
同じ料理を3つのレベルで。本格にどこまで寄せるかは、あなた次第です。
ヴィテッロ・トンナートの伝統的な配合は、仔牛の丸肉(マガテッロ)、ツナ、アンチョビ、ケッパー、ゆで卵の卵黄の五つです。ソースの結着と濃度は、卵黄と冷ました煮汁が担います。これは食材の旨みを無駄なく使い切るピエモンテ料理の知恵であり、卵黄がソースにコクと結着力を与えるためです。
材料(4人分):調理時間2時間+一晩
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 仔牛の丸肉(マガテッロ) | 600g |
| 玉ねぎ | 1個 |
| にんじん | 1本 |
| セロリ | 1本 |
| ローリエ | 2枚 |
| ジュニパーベリー | 6粒 |
| 黒胡椒(粒) | 小さじ1 |
| 塩 | 適量 |
| ソース用 | |
| ツナ(オイル漬け、油を切る) | 160g(缶詰2缶分) |
| ゆで卵の卵黄 | 4個分 |
| アンチョビ(塩漬け、塩を洗い流す) | 6枚 |
| ケッパー(塩漬け、水で洗う) | 大さじ1 |
| 煮汁(冷ましたもの) | 適量 |
| エキストラバージンオリーブオイル | 大さじ1 |
作り方
-
仔牛肉(600g)をタコ糸で縛り、形を整えます。全体に塩(適量)をすり込んでおきます。
-
大きめの鍋に水(肉が浸かる量)、玉ねぎ(1個)、にんじん(1本)、セロリ(1本)、ローリエ(2枚)、ジュニパーベリー(6粒)、黒胡椒の粒(小さじ1)、塩(適量)を入れ、強火で沸騰させます。
-
沸いたら仔牛肉(600g)を加え、弱火に落とします。蓋をして90〜120分ほど煮ます。 なお、竹串を刺して透明な汁が出たら、中心までしっかり火が通ったよい目安になります。
-
火を止め、肉を煮汁に浸けたまま室温で5〜6時間かけてゆっくり冷まします。その後、冷蔵庫で一晩(12時間以上)休ませます。 ポイントは、煮汁から肉を出さないことです。乾燥を防ぎ、味がよくなじむためです。
-
ソースを作ります。ツナ(160g)、卵黄(4個分)、アンチョビ(6枚)、ケッパー(大さじ1)をフードプロセッサーに入れ、冷ました煮汁を少しずつ加えながらなめらかになるまで撹拌します。仕上げにオリーブオイル(大さじ1)を加えます。
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タコ糸を外した仔牛肉(600g)を3〜4mmの薄さに切ります。皿に並べ、ソースをたっぷりとかけます。食べる30分前に冷蔵庫から出し、少し室温に戻してから提供します。
⚠️ やってはいけないこと
- 熱いうちに切らない: 肉が崩れ、断面が乱れます。必ず十分に冷ましてから切ります。
- 強火で長時間煮ない: 仔牛肉が硬くなります。弱火でじっくりが原則です。
- ソースに煮汁を一度に加えない: 少しずつ様子を見ながら加え、ちょうどよい濃度に調整します。
日本では仔牛肉はほとんど手に入りません。そこで豚ロース塊肉を使います。豚ロースで作った、日本で作れるヴィテッロ・トンナートです。風味の繊細さは仔牛には及びませんが、しっかりとした旨みとツナソースとの相性は十分に楽しめます。さっそく作り方を見ていきましょう。
主な変更点
- 仔牛の丸肉(マガテッロ)→ 豚ロース塊肉(精肉コーナー)
- アンチョビ(塩漬け)→ アンチョビ(瓶詰め、オイル漬け)
- ケッパー(塩漬け)→ ケッパー(酢漬け)、よく洗ってから使う
材料(4人分):調理時間約1時間30分+一晩
| 材料 | 分量 | どこで買えるか |
|---|---|---|
| 豚ロース(塊) | 600g | 精肉コーナー(仔牛の代わり) |
| 玉ねぎ | 1個 | どこでも |
| にんじん | 1本 | どこでも |
| ローリエ | 2枚 | 乾燥ハーブ売り場 |
| 黒胡椒(粒) | 小さじ1 | どこでも |
| 塩 | 適量 | どこでも |
| ソース用 | ||
| ツナ缶(オイル漬け) | 160g(2缶) | どこでも(水煮より旨みが出ます) |
| 卵(ゆでて卵黄を使う) | 2個 | どこでも |
| アンチョビ(瓶詰め) | 4枚 | 輸入食材コーナー |
| ケッパー(酢漬け) | 大さじ1 | 輸入食材コーナー(よく洗ってから) |
| オリーブオイル | 大さじ1 | 油売り場 |
| 煮汁 | 適量 | 冷ましておく |
作り方
-
豚ロース(600g)に塩(適量)をすり込み、大きめの鍋に水(肉が浸かる量)、玉ねぎ(1個)、にんじん(1本)、ローリエ(2枚)、黒胡椒の粒(小さじ1)とともに入れ、強火で沸騰させます。
-
沸いたら弱火に落とし、蓋をして60〜90分ほど煮ます。竹串を刺して透明な汁が出たら火が通っています。 なお、これはじっくり低温で加熱する技法と同じ考えかたです。ゆっくり熱を通すことで、肉がしっとりとした仕上がりになるためです。
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火を止め、煮汁に浸けたまま室温でゆっくり冷まし、その後冷蔵庫で一晩(最低12時間)休ませます。
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ソースを作ります。ツナ(160g)、卵黄(2個分)、アンチョビ(4枚)、ケッパー(大さじ1)をフードプロセッサーに入れ、冷ました煮汁を少しずつ加えながらなめらかになるまで撹拌します。オリーブオイル(大さじ1)を最後に加えます。 ポイントは、煮汁の量で濃度を調整することです。ヨーグルトくらいのとろみが目安になります。
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豚肉を3〜4mmの薄さに切り、皿に並べてソースをたっぷりとかけます。食べる30分前に冷蔵庫から出し、室温に戻してから提供します。
ヒント&コツ
- ソースをかけて冷やすとさらにおいしい: ソースをかけた後に再び冷蔵庫に入れると、肉にさらになじみます
- ケッパーの酸味を和らげる: 酢漬けケッパーは流水でよく洗ってから使うと、ソースの風味が安定します
- 薄切りのコツ: 肉が冷えているうちに切ると形が崩れません。よく切れる包丁を使いましょう
次にイタリアのピエモンテを訪れる機会があれば、現地のリストランテでこの一皿を頼んでみてください。仔牛肉ならではの繊細さとソースのバランスが、自分の台所の記憶と静かに重なるはずです。
よくある質問
前日に作っておけますか? はい、むしろ前日に作ることをおすすめします。肉とソースが一晩なじむことで、味が深まります。冷蔵庫で3日間ほど保存できます。
仔牛肉はどこで買えますか? 日本の一般的なスーパーではほとんど扱っていません。輸入食材専門店や大型デパートの精肉売り場で見つかる場合があります。見つからない場合は、日常レシピ(豚ロース)で代用できます。
フードプロセッサーがなくてもできますか? できます。すり鉢で材料をよく擦り合わせ、煮汁を少しずつ加えながら混ぜます。多少の粒が残りますが、風味は同じです。
ソースはどのくらい日持ちしますか? 冷蔵庫で2〜3日間保存できます。時間が経つと分離することがあるので、使う前に軽く混ぜ直してください。
この料理に合う副菜は? ルッコラのサラダや蒸したじゃがいもとよく合います。現地のピエモンテでは薄切りパンと一緒に提供されることも多いです。
