ペペロンチーノ
粉チーズも生クリームも使わず、にんにく・オリーブオイル・唐辛子だけで、日本で手に入る材料からとろりと乳化した本格ペペロンチーノに仕上げます。

- 調理時間
- 15分
- 人数
- 2名分
- 材料費
- 約¥300
- 難易度
- やさしい

この料理について
ペペロンチーノは、南イタリアの貧しい台所から生まれた料理です。畑仕事を終えた人々が、手元にある油と香味だけで腹を満たした——そういう日常の食事でした。19世紀のナポリの料理書には「ヴェルミチェッリ・アーリオ・エ・ウオーイエ」、つまり「にんにくと油のパスタ」として早くから記録が残っています。一方で、よく似たパスタは荷馬車引き(カレッティエーレ)の料理としてラツィオやアブルッツォでも語られ、発祥をめぐっては今も地域ごとに言い分があります。誰が最初かを決める必要はありません。確かなのは、これが南イタリア全体で愛されてきた、いちばん簡素なごちそうだということです。
3つのレシピ、ひとつの料理
同じ料理を3つのレベルで。本格にどこまで寄せるかは、あなた次第です。
本格ペペロンチーノの構成は、スパゲッティ、にんにく、エキストラバージンオリーブオイル、唐辛子の四つだけ。チーズも乳製品も加えません。これは引き算の料理であり、それぞれの素材がどう働くかを理解すると、なぜ何も足さないのかが見えてきます。
材料(2人分)
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| スパゲッティ | 160g |
| にんにく | 2かけ |
| 赤唐辛子(乾燥) | 1本 |
| エキストラバージンオリーブオイル | 大さじ3(45ml) |
| 塩(パスタ用) | 湯1リットルに小さじ2 |
| パセリ(みじん切り・好みで) | 少々 |
作り方
- 湯1リットルに塩(小さじ2)を入れて沸かし、スパゲッティ(160g)を表示時間より1分短く茹で始めます。
- にんにく(2かけ)は薄切りにし、芯を取り除きます。赤唐辛子(1本)は種を抜きます。
- フライパンにオリーブオイル(大さじ3)とにんにく、唐辛子を入れ、火をつける前から弱火にかけます。なお、冷たいオイルからゆっくり温めるのは、にんにくの香りを焦がさずに油へ移すためです。きつね色になるまで焦がすと苦くなり、消化にも重くなります。にんにくはほんのり色づく程度で止めます。
- にんにくが色づいたら、茹で汁をおたま1杯加えます。ここでオイルと茹で汁を白っぽくとろりと混ぜ合わせるのが要で、デンプンを含んだ茹で汁が油と結びつき、ソースの土台になります。
- アルデンテに茹でたスパゲッティをフライパンに移し、中火にして手早く和えます。茹で汁を少しずつ足しながら、麺とソースをひとつにまとめます。
- 塩で味をととのえ、火を止めてから好みでパセリを散らし、温かいうちに盛りつけます。
⚠️ やってはいけないこと
- にんにくを焦がす。 きつね色まで色づけると苦味が出て、料理全体を支配してしまいます。香りが立ったら、それ以上は進めません。
- チーズを加える。 本来のナポリのペペロンチーノに、削ったチーズの類は入りません。加えると別の料理になります。コクが欲しいときはオイルの質で補います。
- 強火で一気に仕上げる。 にんにくも唐辛子も焦げやすく、油はねも起きます。香りを移す工程は終始弱火です。
平日の夜、特別な買い物をしなくても作れるのがこの料理のよいところです。日本のスーパーでそろう材料だけで、本場のペペロンチーノにひけを取らない一皿になります。変わるのはほんの少し、香りの引き出し方のコツだけです。
主な変更点
- オリーブオイルは手に入るエキストラバージンで十分です。仕上げに生のオイルを少し回しかけると、香りが立ちます。
- 乾燥唐辛子がなければ、一味唐辛子をひとつまみでも代用できます。ただし辛さがまっすぐ出るので、量は控えめに。
材料(2人分)
| 材料(JP) | 元の名前(IT) | 分量 | どこで買えるか | 代用 |
|---|---|---|---|---|
| スパゲッティ | spaghetti | 160g | どこでも(乾麺コーナー) | — |
| にんにく | aglio | 2かけ | どこでも | チューブにんにくは香りが弱い |
| 赤唐辛子 | peperoncino | 1本 | 乾物・スパイス売り場 | 一味唐辛子ひとつまみ |
| オリーブオイル | olio extravergine | 大さじ3(45ml) | 油売り場 | — |
| 塩(パスタ用) | sale | 湯1リットルに小さじ2 | どこでも | — |
| パセリ | prezzemolo | 少々 | 野菜売り場(好みで) | 乾燥パセリでも可 |
作り方
- 湯1リットルに塩(小さじ2)を入れて沸かし、スパゲッティ(160g)を表示より1分短く茹でます。
- フライパンにオリーブオイル(大さじ3)、薄切りのにんにく(2かけ)、種を抜いた赤唐辛子(1本)を入れ、弱火からゆっくり温めます。にんにくがふつふつと小さく泡立ち、ほんのり色づくまでが目安です。
- 色づいたら茹で汁をおたま1杯加え、フライパンを揺すりながらオイルと茹で汁をとろりと白く混ぜ合わせます。だし巻き卵を作るときに余熱と水分でふんわりまとめるのと同じで、ここで急がず乳化させるのがポイントです。
- アルデンテの麺を移し、中火で手早く和えます。茹で汁を少しずつ足し、麺がオイルをまとってつやが出てきたら火を止めます。
- 好みでパセリを散らして、すぐに盛りつけます。
ヒント&コツ
- 茹で汁は捨てずにカップ1杯分とっておきます。乳化にも、味の調整にも使います。
- にんにくは「炒める」より「香りを移す」気持ちで。弱火を守れば失敗しません。
- 物足りないと感じるかもしれませんが、チーズを足すより、よいオリーブオイルをひと回しするほうがこの料理らしい深みになります。
スーパーの材料でも、ここまでくれば十分にペペロンチーノです。次にイタリア・ナポリを訪れることがあれば、夜遅くまで開いている食堂で同じ一皿を頼んでみてください。本場の味と、あなたの台所の記憶が静かに重なるはずです。
⚠️ ここで紹介するのは、コンビニの材料だけで作る簡易版です。本来の味とは違います——それでも、疲れて帰った夜に温かい一皿があることの価値は変わりません。時間のある週末には、日常レシピ(L2)もぜひ試してみてください。
材料(1人分)
- スパゲッティ(乾麺)1人分
- チューブにんにく 3cmほど
- オリーブオイル(小袋でも)大さじ1
- 一味唐辛子 少々
- 塩 少々
作り方
- 鍋に湯を沸かし、塩を入れてスパゲッティを表示どおり茹でます。
- フライパンにオリーブオイル(大さじ1)とチューブにんにく(3cm)を入れ、弱火でふつふつと香りを立てます。
- 一味唐辛子をぱらりと振り、茹で汁をおたま半分加えて、とろりと混ぜます。
- 茹で上がった麺を入れ、さっと和えてつやが出たら、塩で味をととのえます。
- 熱いうちに、ずずっと一気に。
チューブにんにくでも、温かさはちゃんと届きます。今度すこし時間ができたら、生のにんにくで作ってみてください。香りの違いに、きっと驚くはずです。
よくある質問
にんにくはチューブでもいいですか? 作れます。ただし生のにんにくのほうが香りがはっきり立ちます。時間があるときは薄切りのにんにくを弱火でじっくり、が断然おすすめです。
辛いのが苦手でも作れますか? 作れます。唐辛子の種を抜き、量を半分に減らせば、香りだけを残してやさしい辛さになります。お子さんと食べるなら、唐辛子は香りづけ程度にとどめてください。
パセリやチーズは入れたほうがいいですか? パセリは好みで、彩りと香りのために少し散らす程度に。チーズは本来のナポリのペペロンチーノには入れません。入れると別の料理になるので、まずはなしで味わってみてください。
どのくらい日持ちしますか? オイルのパスタは作りたてがいちばんです。冷蔵で1日以内には食べきってください。温め直すときは、少量の水とオイルを足すとぱさつきません。
乳化がうまくいきません。 茹で汁のデンプンが足りないことが多いです。湯を多くしすぎず、しっかり塩をきかせた茹で汁を使い、フライパンを揺すりながら少しずつ加えると、白くとろりとまとまります。
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