ボンゴレ・ビアンコ
あさりの出汁と白ワイン、にんにくとオリーブオイルだけで、日本のスーパーのあさりから本場のボンゴレ・ビアンコに仕上げます。砂抜きと乳化のコツも紹介します。

- 調理時間
- 25分
- 人数
- 2名分
- 材料費
- 約¥600
- 難易度
- ふつう

この料理について
ボンゴレは、イタリア語で「二枚貝」を指します。なかでも白ワインで蒸し上げる「ビアンコ(白)」は、ナポリをはじめとする南イタリアの海沿いで親しまれてきた一皿です。漁師の家庭で、その日に獲れた貝をいちばんシンプルに食べる——それがはじまりでした。同じ料理はラツィオの海岸部でも作られ、発祥をめぐっては地域ごとに言い分があります。けれども共通しているのは、貝の出汁を一滴も無駄にしない、という考え方です。
3つのレシピ、ひとつの料理
同じ料理を3つのレベルで。本格にどこまで寄せるかは、あなた次第です。
本場のボンゴレ・ビアンコを構成するのは、あさり、にんにく、オリーブオイル、白ワイン、そして唐辛子。数えるほどの材料で、貝の出汁を最大限に引き出す料理です。チーズや乳製品は加えません。引き算だからこそ、火加減と手順そのものが味を決めます。
材料(2人分)
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| スパゲッティ | 160g |
| あさり(殻つき) | 300g |
| にんにく | 1かけ |
| 赤唐辛子(乾燥) | 1本 |
| エキストラバージンオリーブオイル | 大さじ3(45ml) |
| 白ワイン | 50ml |
| パセリ(みじん切り) | 適量 |
| 塩(パスタ用) | 湯1リットルに小さじ2 |
作り方
- あさり(300g)は3%の塩水(水500mlに塩大さじ1)に浸け、新聞紙などをかぶせて暗くし、30分から1時間ほど砂抜きします。そのあと殻同士をこすり合わせて洗います。
- 湯1リットルに塩(小さじ2)を入れて沸かし、スパゲッティ(160g)を表示時間より1分短く茹で始めます。
- フライパンにオリーブオイル(大さじ3)、薄切りのにんにく(1かけ)、種を抜いた赤唐辛子(1本)を入れ、火をつける前から弱火にかけます。なお、冷たいオイルからゆっくり温めるのは、にんにくの香りを焦がさずに油へ移すためです。
- にんにくがほんのり色づいたら、あさり(300g)と白ワイン(50ml)を加え、ふたをして中火にします。なお、貝が開くのを待つあいだに、ワインのアルコールがとんで風味だけが残ります。
- あさりの口が開いたら、貝だけを一度取り出します。ポイントは、ここで貝を出しておくこと——煮続けると身がかたく縮み、殻のかけらも口に入りやすくなるからです。
- フライパンに残った蒸し汁に、茹で汁をおたま1杯加え、フライパンを揺すって白っぽくとろりと乳化させます。貝の出汁とオイルが結びつき、ソースの土台になります。
- アルデンテに茹でたスパゲッティを移し、中火で手早く和えます。茹で汁を少しずつ足し、麺が出汁をまとってつやが出たら、取り出したあさりを戻します。
- 火を止めてパセリ(適量)を散らし、温かいうちに盛りつけます。
⚠️ やってはいけないこと
- あさりを煮すぎる。 口が開いたらすぐに取り出します。火を入れ続けると身が縮み、せっかくのふっくらした食感が失われます。
- チーズを加える。 魚介のパスタにチーズは合わせないのが本場の考え方です。貝の繊細な出汁が隠れてしまいます。
- 砂抜きを省く。 砂が残ると一皿全体が台無しになります。塩水と暗さ、この二つで貝はよく砂を吐きます。
日本のスーパーで売られているあさりで、本場のボンゴレ・ビアンコにひけを取らない一皿が作れます。変わるのは貝の種類くらいで、考え方はそのままです。
主な変更点
- 本場のヴォンゴレ(地中海の二枚貝)の代わりに、日本のあさりを使います。出汁の出方はむしろ親しみやすく、失敗しません。
- 白ワインがなければ、料理酒や日本酒でも代用できます。風味は少しやわらぎますが、貝の臭みを抑える役割は果たします。
材料(2人分)
| 材料(JP) | 元の名前(IT) | 分量 | どこで買えるか | 代用 |
|---|---|---|---|---|
| あさり | vongole | 300g | 鮮魚売り場 | 砂抜き済みパックが手軽 |
| スパゲッティ | spaghetti | 160g | 乾麺コーナー | — |
| にんにく | aglio | 1かけ | どこでも | チューブは香りが弱い |
| 赤唐辛子 | peperoncino | 1本 | スパイス売り場 | 一味唐辛子少々 |
| オリーブオイル | olio extravergine | 大さじ3 | 油売り場 | — |
| 白ワイン | vino bianco | 50ml | 酒売り場 | 料理酒・日本酒 |
| 塩(パスタ用) | sale | 湯1リットルに小さじ2 | どこでも | — |
| パセリ | prezzemolo | 適量 | 野菜売り場 | 乾燥パセリ |
作り方
- あさり(300g)は塩水で砂抜きし、殻をこすり洗いします。砂抜き済みのパックなら、さっと洗うだけで十分です。
- 湯1リットルに塩(小さじ2)を入れ、スパゲッティ(160g)を表示より1分短く茹で始めます。
- フライパンにオリーブオイル(大さじ3)、薄切りのにんにく(1かけ)、赤唐辛子(1本)を弱火にかけ、ふつふつと香りが立つまで温めます。
- にんにくが色づいたら、あさり(300g)と白ワイン(50ml)を加えてふたをします。貝の口が開いたら、貝を一度取り出します。あさりの味噌汁で貝をあとから戻すのと同じで、ここでも煮すぎないのがコツです。
- 残った蒸し汁に茹で汁をおたま1杯加え、フライパンを揺すってとろりと乳化させます。アルデンテの麺を移し、中火で手早く和えます。
- 麺につやが出たらあさりを戻し、火を止めてパセリ(適量)を散らします。
ヒント&コツ
- 蒸し汁は捨てずに使います。あさりの出汁こそが、この料理の味の土台です。
- 塩は最後に味をみてから加えます。あさりの塩分があるので、入れすぎないように気をつけます。
- 物足りなく感じるかもしれませんが、チーズに頼らず、よいオリーブオイルをひと回しするほうが、貝の風味が引き立ちます。
スーパーのあさりでも、ここまでくれば十分にボンゴレ・ビアンコです。次にナポリの海辺を訪れることがあれば、同じ一皿を頼んでみてください。あなたの台所で覚えた貝の出汁の記憶と、静かに重なるはずです。
よくある質問
あさりは砂抜き済みのパックでもいいですか? はい、作れます。時短になります。使う前にもう一度さっと洗うと、より安心です。
白ワインがないときは? 料理酒や日本酒で代用できます。風味はやさしくなりますが、貝の臭みを抑えてくれます。みりんは甘くなるので避けてください。
冷凍あさりは使えますか? 使えます。凍ったまま加えると旨みが出やすく、砂抜きの手間もありません。解凍せず、そのまま蒸してください。
どのくらい日持ちしますか? 魚介のパスタは作りたてがいちばんです。冷蔵で当日中に食べきってください。
子どもでも食べられますか? 唐辛子を抜けば、貝の出汁のやさしい味になります。小さなお子さんには、殻のかけらが残っていないか気をつけてあげてください。
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