パルミジャーナ / Parmigiana di melanzane
揚げたなすにトマトソースとモッツァレラを重ね、オーブンでこんがり焼き上げるナポリの家庭料理。日本のスーパーで手に入る材料で、とろりとしたチーズとジューシーな断面に仕上げます。

- 調理時間
- 90分
- 人数
- 4名分
- 材料費
- 約¥1400
- 難易度
- ふつう

この料理について
パルミジャーナの起源は、南イタリアの複数の地域にまたがる論争の的です。なすが地中海世界にもたらされたのはアラブ商人を通じてで、そこからシチリア、カンパーニア、プーリア、カラブリアへと広がっていきました。ナポリでは、1837年にイッポリト・カヴァルカンティが著した料理書にこの料理の原型が記されており、揚げたなすの層にモッツァレラを重ねる調理法が確立していったと考えられています。
地域によっては白いソースを使うレシピもありますが、カンパーニアの伝統的な一皿は、あくまでトマトソースとモッツァレラが主役です。水牛モッツァレラの産地でもあるこの土地らしく、チーズのコクと酸味のあるトマトのバランスが、パルミジャーナの核をつくっています。
3つのレシピ、ひとつの料理
同じ料理を3つのレベルで。本格にどこまで寄せるかは、あなた次第です。
パルミジャーナの伝統的な構成は、揚げたなす、トマトソース、モッツァレラ、パルミジャーノ・レッジャーノ、バジルの五つです。カンパーニアの家庭料理として確立したこの組み合わせは、それぞれの素材の役割を理解すると、なぜこの順番で重ねるのかが見えてきます。
材料(4人分)
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| ナス | 4本(800g) |
| トマトソース(パッサータ) | 500ml |
| にんにく | 1片 |
| バジル(葉) | 10枚 |
| モッツァレラ・ディ・ブーファラ | 300g |
| パルミジャーノ・レッジャーノ(すりおろし) | 100g |
| 小麦粉(打ち粉用) | 適量 |
| 揚げ油 | 適量 |
| エキストラバージンオリーブオイル | 大さじ2 |
| 塩 | 適量 |
作り方
-
なす(4本、800g)を縦に7〜8mm厚さの輪切りにし、塩(小さじ1)をふって30分置きます。出てきた水分をキッチンペーパーでしっかり拭き取ります。
なお、この塩出しでなすの苦みと余分な水分を抜きます。しっかり乾かしてから揚げると、油はねが少なくなります。
-
ソースを作ります。 鍋にエキストラバージンオリーブオイル(大さじ2)とつぶしたにんにく(1片)を入れ、弱火で香りが立つまで炒めます。にんにくを取り出し、トマトソース(500ml)を加えて中火にし、塩で味を調えながら15分ほど煮詰めます。仕上げにバジル(葉2〜3枚、ちぎる)を加えます。
-
なすを揚げます。 なす(800g分)の両面に小麦粉を薄くまぶし、170〜180℃に熱した揚げ油できつね色になるまで両面揚げます(片面2分ほど)。取り出して油をよく切ります。
なすを油で揚げる工程は、揚げびたしを作るときのなすの下ごしらえと近い感覚です。しっかり油を含ませることで、焼き上がったときのコクが生まれます。
-
層に重ねます。 耐熱容器の底にソースを薄く敷き、揚げたなす、ちぎったモッツァレラ(300g)、すりおろしたパルミジャーノ・レッジャーノ(100g)、バジルの葉の順に重ねます。この工程を材料がなくなるまで2〜3回繰り返し、最後はソースとパルミジャーノで覆います。
-
180℃に予熱したオーブンで30分焼きます。 表面に軽く焼き色がつき、縁からソースがふつふつと泡立ってきたら焼き上がりです。
-
オーブンから出したら、15分ほど置いてから切り分けます。
すぐに切り分けると層が崩れてしまいます。だし巻き卵を巻いたあと少し置いて形を落ち着かせるのと同じで、休ませることで断面がきれいに整います。
⚠️ やってはいけないこと
- なすを揚げずに焼くだけで済ませない。 油で揚げることで表面にコクが生まれます。焼くだけでは水っぽく、締まりのない仕上がりになります。
- ソースを煮詰めずに使わない。 水分の多いソースを使うと、層全体がべちゃっとした仕上がりになります。
- 焼き上がってすぐに切り分けない。 休ませずに切ると層が崩れ、断面がきれいに出ません。
パルミジャーナの骨格はシンプルです。なすを揚げて、トマトソースとチーズで層にする。この流れさえつかめば、日本のスーパーで揃う材料でも本場に近い一皿がつくれます。
主な変更点
| L1からの変更点 | 理由 |
|---|---|
| モッツァレラ・ディ・ブーファラ → 国産モッツァレラ | 水牛モッツァレラは入手しにくいため |
| パッサータ → カットトマト缶 | スーパーで手に入りやすい |
| 揚げ油(たっぷり)→ フライパンでの揚げ焼き | 少ない油でも近い食感に仕上がる |
材料(4人分:調理時間80分)
| 材料(JP) | 元の名前(IT) | 分量 | どこで買えるか | 代用 |
|---|---|---|---|---|
| ナス | Melanzane | 4本(800g) | 野菜売り場 | なし(必須) |
| カットトマト缶 | Pomodoro (passata) | 400g | 缶詰コーナー | トマトピューレ400ml |
| にんにく | Aglio | 1片 | 野菜売り場 | チューブにんにく3cm |
| バジル | Basilico | 10枚 | ハーブコーナー(冷蔵) | 乾燥バジル小さじ1 |
| モッツァレラ | Mozzarella di bufala | 300g | チーズ売り場、輸入食材コーナー | シュレッドチーズ(とろけるタイプ) |
| 粉チーズ(パルメザン) | Parmigiano reggiano | 100g | チーズ売り場 | — |
| 小麦粉 | Farina | 適量 | どこでも | — |
| 揚げ油 | Olio per friggere | 適量 | どこでも | — |
| EVオリーブオイル | Olio EVO | 大さじ2 | どこでも | — |
| 塩 | Sale | 適量 | どこでも | — |
作り方
-
なす(4本、800g)を7〜8mm厚さの輪切りにし、塩(小さじ1)をふって20分置きます。出てきた水分をキッチンペーパーで拭き取ります。
日本のなすは水分が少なめなので、20分ほどの塩出しで充分です。
-
鍋にEVオリーブオイル(大さじ2)とみじん切りのにんにく(1片)を弱火で香りが立つまで炒めます。カットトマト缶(400g)を加え、塩で味を調えながら中火で15分ほど煮詰めます。仕上げにバジル(2〜3枚、ちぎる)を加えます。
缶詰のトマトは粒が残りやすいので、木べらで軽くつぶしながら煮詰めると、なめらかなソースに近づきます。
-
なす(800g分)の両面に小麦粉を薄くまぶし、フライパンに1cmほどの油を熱して中火で両面きつね色になるまで揚げ焼きにします(片面2分ほど)。油を切ります。
揚げびたしのなすを作るときと同じ感覚で、油をしっかり含ませるつもりで揚げると、焼き上がりのコクが変わります。
-
耐熱容器にソースを薄く敷き、揚げたなす、モッツァレラ(300g、ちぎる)、粉チーズ(100g)、バジルの葉の順に重ねます。2〜3回繰り返し、最後はソースと粉チーズで覆います。
-
200℃に予熱したオーブントースターまたはオーブンで20〜25分焼きます。 表面に焼き色がつき、縁がふつふつと泡立ってきたら焼き上がりです。
なお、家庭用オーブンによって火力が異なるので、焼き色を見ながら調整してください。焦げそうな場合はアルミホイルをかぶせます。
-
15分ほど置いてから切り分けます。
ヒント&コツ
- なすは皮つきのまま使うと、揚げたときに形が崩れにくくなります。
- 一度にたくさん作って冷蔵・冷凍しておくと、平日の食事にも便利です。
- チーズは仕上げにたっぷりのせると、香ばしい焼き色がつきやすくなります。
スーパーの材料でも、ここまでくれば充分にパルミジャーナです。次にナポリを訪れることがあれば、下町の食堂で日曜の昼に頼んでみてください。あなたの台所で切り分けた断面と、静かに重なるはずです。
よくある質問
Q. 冷凍できますか? できます。焼き上がったものを1食分ずつ小分けにして冷凍し、食べる際は冷蔵庫で解凍してからオーブンで温め直すと、揚げたなすの食感が戻りやすいです。
Q. 前日に作っておけますか? はい。むしろ味がなじんで、翌日の方がまとまりが出ます。焼く前の状態で冷蔵しておき、食べる直前に焼いても、焼いたものを温め直しても、どちらでも構いません。
Q. たっぷりの油で揚げずに作れますか? フライパンでの揚げ焼きでも近い仕上がりになります。ただし、油が少ないと焦げやすいので、火加減はこまめに見てください。
Q. モッツァレラが手に入らない場合は? とろけるタイプのシュレッドチーズでも代用できます。水牛モッツァレラ特有の濃厚な風味は出ませんが、とろけ具合は近くなります。
Q. どのくらい日持ちしますか? 冷蔵で2〜3日ほど保存できます。時間が経つほど味がなじみ、翌日の方がおいしく感じられることも多いです。
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