クルルジョネス
サルデーニャ・オリアストラの郷土パスタ、クルルジョネスは、じゃがいもとペコリーノ、ミントを詰め、麦の穂のひだで閉じて仕上げます。輸入食材店とスーパーで揃う材料で、あの独特な包み方まで家庭で再現します。

- 調理時間
- 150分
- 人数
- 4名分
- 材料費
- 約¥2000
- 難易度
- 本格的

3つのレシピ、ひとつの料理
同じ料理を3つのレベルで。本格にどこまで寄せるかは、あなた次第です。
クルルジョネスの縁を彩る「スピゲッタ」と呼ばれる麦の穂のひだは、この料理の閉じ方そのものであり、飾りではありません。詰め物はじゃがいも、ペコリーノ、ミントの三つが核で、これ以外の詰め物に置き換えると、サルデーニャの別の地方に伝わる、まったく別のラビオリになってしまいます。生地に卵を使わない点も特徴で、セモリナ粉の粒立ちが、噛むほどにしっかりとした存在感を残します。
材料(4人分)
生地
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| セモリナ粉(デュラム小麦) | 200g |
| 薄力粉 | 300g |
| 水 | 270ml |
| エキストラバージンオリーブオイル | 大さじ1 |
| 塩 | 5g |
詰め物
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| じゃがいも | 1kg |
| ペコリーノ・サルド(すりおろし) | 100g |
| ミントの葉(みじん切り) | 20枚 |
| にんにく(すりおろし) | 1かけ |
| エキストラバージンオリーブオイル | 大さじ2 |
| 塩・黒胡椒 | 適量 |
ソース
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 完熟トマト(湯むきしたもの) | 400g |
| にんにく | 1かけ |
| エキストラバージンオリーブオイル | 大さじ2 |
| 塩 | 適量 |
| ペコリーノ・サルド(すりおろし、仕上げ用) | 適量 |
作り方
1. じゃがいもをゆでる
じゃがいも(1kg)を皮つきのまま、竹串がすっと入るまで30〜40分ゆでます。
2. 詰め物を仕込む
熱いうちに皮をむいて滑らかに潰し、ペコリーノ・サルド(100g)、ミント(20枚)、にんにく(1かけ)、オリーブオイル(大さじ2)、塩・黒胡椒を加えてよく混ぜます。冷蔵庫で半日〜1日ほど休ませ、味をなじませます。
3. 生地を仕込む
セモリナ粉(200g)、薄力粉(300g)、塩(5g)をボウルに合わせ、オリーブオイル(大さじ1)と水(270ml)を少しずつ加えながらまとめます。10分ほど台の上でこね、なめらかで弾力のある生地にします。
4. 生地を休ませる
布巾をかけて常温で30分ほど休ませます。
5. ソースを作る
にんにく(1かけ)をオリーブオイル(大さじ2)で香りが立つまで熱し、湯むきした完熟トマト(400g)を崩しながら加え、塩で味を調えて10分ほど煮詰めます。
6. 生地をのばして抜く
生地を3mmほどの厚さにのばし、直径10〜11cmの円形に抜きます。
7. 詰めてスピゲッタに閉じる
円の中央に詰め物を大さじ1ほどのせ、生地の縁を合わせて半分に折ります。片手で縁をつまみながら、麦の穂のように交互にひだを重ねていきます。最低10回はひだを重ね、先端までしっかり閉じます。
8. ゆでる
塩を加えた湯で、浮き上がってから1〜2分ほどゆでます。
9. 仕上げる
汁気を軽く切ってソースに直接加え、優しく和えます。器に盛り、ペコリーノ・サルドをたっぷりかけます。
⚠️ やってはいけないこと
詰め物を白い柔らかいチーズと赤い根菜に置き換える これはサルデーニャの別の地方に伝わる、まったく別のラビオリの組み合わせです。じゃがいもとペコリーノ、ミントという詰め物こそがこの料理の核心で、混同すると別の一皿になってしまいます。
閉じ目を指でつまむだけで済ませる 麦の穂のようなひだを最低10回重ねる工程は、見た目の飾りではなく、縁をしっかり密閉するための構造そのものです。省略すると、ゆでている間に開いて詰め物が流れ出してしまいます。
詰め物が温かいまま生地に包む 熱が生地を柔らかくしすぎ、ひだを寄せる際に破れやすくなります。冷蔵庫でしっかり冷やしてから包むことが、きれいな仕上がりの鍵です。
強い沸騰のままゆでる 生地が薄く繊細なため、激しい沸騰では縁が壊れやすくなります。塩を加えた湯を穏やかな沸騰に保ち、優しくゆでてください。
輸入食材店で手に入るペコリーノ・ロマーノとセモリナ粉があれば、じゃがいもとミントの詰め物、そして麦の穂のスピゲッタまで、この一皿の核心を家庭でも十分に再現できます。少し手間はかかりますが、休日にゆっくり包んでみましょう。
主な変更点
| 項目 | L1(本格) | L2(日本での代用) | 妥協点 |
|---|---|---|---|
| チーズ | ペコリーノ・サルド | ペコリーノ・ロマーノ(輸入食材コーナー) | 塩気とコクがやや強く出るが、羊乳チーズの風味は近いまま |
| 詰め物を休ませる時間 | 半日〜1日冷蔵 | 30分〜1時間冷蔵 | 味のなじみはやや浅くなるが、成形はしやすくなる |
| セモリナ粉 | イタリア産セモリナ粉 | 輸入食材店のセモリナ粉 | 入手先が変わるだけで配合は同じ |
| トマト | 完熟の生トマト | トマト缶 | 季節を問わず作れる。風味の差はわずか |
材料(4人分)
| 材料(JP) | 元の名前(IT) | 分量 | どこで買えるか | 代用 |
|---|---|---|---|---|
| セモリナ粉 | semola | 200g | 輸入食材店 | なし(薄力粉だけでは生地の弾力が変わる) |
| 薄力粉 | farina 00 | 300g | どこでも | — |
| じゃがいも | patate | 1kg | どこでも | — |
| ペコリーノ・ロマーノ(すりおろし) | pecorino | 100g | 輸入食材コーナー | 粉チーズ(パルメザン) |
| ミント | menta | 20枚 | スーパーのハーブコーナー | なし(香りの核心のため省略は非推奨) |
| にんにく | aglio | 2かけ | どこでも | — |
| トマト缶 | pomodoro | 400g | どこでも | — |
| エキストラバージンオリーブオイル | olio extravergine | 大さじ4 | どこでも | — |
| 塩・黒胡椒 | sale e pepe | 適量 | どこでも | — |
作り方
-
じゃがいも(1kg)を皮つきのまま、竹串がすっと入るまで30〜40分ゆでます。
-
熱いうちに皮をむいて潰し、ペコリーノ・ロマーノ(100g)、みじん切りのミント(20枚)、すりおろしたにんにく(1かけ)、オリーブオイル(大さじ2)、塩・黒胡椒を混ぜます。冷蔵庫で30分〜1時間ほど冷やします。
なお、詰め物をよく冷やしてから包む感覚は、餃子の具を先に冷ましてから包む工程に近いものがあります。生地が破れにくくなります。
-
セモリナ粉(200g)と薄力粉(300g)、塩をボウルに合わせ、オリーブオイル(大さじ1)と水(270ml)を少しずつ加えてまとめます。10分ほどこね、常温で30分休ませます。
-
生地を薄くのばし、直径10cmほどの円形に抜きます。
-
円の中央に詰め物を大さじ1ほどのせ、縁を合わせながら指先で交互にひだを寄せていきます。最低10回ほど重ね、先端までしっかり閉じます。
なお、この交互にひだを寄せる動きは、餃子のひだを寄せる工程によく似ています。ただし一つの生地に対して倍以上の回数を重ねるため、最初の数個は練習のつもりで進めると安心です。
-
にんにく(1かけ)をオリーブオイル(大さじ2)で香りが立つまで炒め、トマト缶(400g)を崩しながら加え、塩で味を調えて10分ほど煮詰めます。
-
塩を加えた湯でクルルジョネスを、浮き上がってから1〜2分ゆでます。
-
汁気を軽く切ってソースに加え、器に盛ってペコリーノ・ロマーノをたっぷりかけます。
ヒント&コツ
- 詰め物は前日に仕込んでおくと、当日は生地作りと成形に集中できます。
- ひだ寄せは最初の数個で感覚をつかめば、後は手が自然に動くようになります。破れてしまったものは無理に直さず、ゆでる直前に指で軽く押さえ直す程度にとどめましょう。
- 一度に食べない分は、成形した状態でバットに並べて凍らせ、固まってから袋に移すと便利です。凍ったままゆでられます。
輸入食材店の材料でも、じゃがいもとペコリーノ、ミントが層になった詰め物と、麦の穂のひだは十分に再現できます。次にサルデーニャの内陸部、オリアストラを訪れることがあれば、食堂の一皿で同じ形に出会ってみてください。台所で数えた10回のひだの記憶と、静かに重なるはずです。
よくある質問
Q. スピゲッタ(麦の穂のひだ)がうまくできません。代わりの閉じ方はありますか? A. フォークで縁を押さえるだけの閉じ方でも一応は成立しますが、ひだの数だけ密閉度が上がるので、ゆでている間に開きにくくなります。最初は数個で練習し、慣れてきたら本数を増やしていくのがおすすめです。
Q. 作り置きや冷凍はできますか? A. 成形したものはバットに並べて凍らせてから袋に移すと、凍ったままゆでられます。詰め物だけなら冷蔵で1日ほど保存できます。
Q. トマトソース以外の味付けはありますか? A. サルデーニャには、溶かしたバターとミント、ペコリーノだけで和える、より素朴な食べ方も伝わっています。トマトが普及する以前は、こちらがより古い食べ方だったと考えられています。
Q. 子供と一緒に作れますか? A. じゃがいもを潰したり詰め物を混ぜたりする工程は子供でも楽しめます。ひだを寄せる工程は指先の細かい動きが必要なので、大人が一緒に見ながら挑戦するとよいでしょう。
Q. ペコリーノ・サルドが手に入らない場合は? A. ペコリーノ・ロマーノで代用できます。塩気とコクがやや強く出ますが、羊乳チーズならではの風味は近いまま保たれます。
Q. どのくらいの数ができますか? A. この分量でおよそ35〜40個ほどでき、4人分の一皿になります。
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