ストランゴッツィのレシピ
ウンブリア州ノルチャ発祥、卵を使わない素朴な手打ち生地に黒トリュフを合わせる本格パスタです。日本での黒トリュフの選び方と、香りを損なわない扱い方まで丁寧に紹介します。

- 調理時間
- 80分
- 人数
- 2名分
- 材料費
- 約¥5000
- 難易度
- ふつう
この料理について
ウンブリア州のフォリーニョとスポレートのあいだの丘陵地帯では、ストランゴッツィは長く、農家の台所の一皿でした。小麦粉と水を練っただけの生地に、地元でとれる黒トリュフを合わせることで、素朴な一皿が特別な一皿に変わります。2011年の国際観光の日には、「ノルチャとスポレートの黒トリュフのストランゴッツィ」がウンブリア州を代表する料理として正式に選ばれました。地域によってはストリンゴッツィ、ストレンゴッツィとも呼ばれ、呼び名は土地ごとに少しずつ違います。ノルチャは黒トリュフの一大産地として知られ、素朴なパスタと高価な食材が同じ皿の上で出会う、この土地らしい組み合わせを体現している一皿です。
3つのレシピ、ひとつの料理
同じ料理を3つのレベルで。本格にどこまで寄せるかは、あなた次第です。
伝統的なストランゴッツィの生地は、驚くほど材料が少ないものです。小麦粉と水、それに塩とオリーブオイルを少し。この土地の農家料理らしい、飾らない組み立てです。そこへ黒トリュフを合わせるのが、ノルチャとスポレートに伝わるこの一皿の本質です。
材料(2人分):調理時間80分
生地用
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 中力粉 | 100g |
| セモリナ粉(デュラム小麦の粗挽き粉) | 100g |
| 水 | 90〜100ml |
| エキストラバージンオリーブオイル | 小さじ1 |
| 塩 | ひとつまみ |
ソース用
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 黒トリュフ(旬の時期は黒トリュフ・プレジャート、旬外は黒トリュフ・エスティーヴォ) | 30〜40g |
| にんにく | 1片 |
| エキストラバージンオリーブオイル(できればウンブリア産) | 大さじ3 |
| 塩 | 適量(仕上げ用・茹で用) |
作り方
-
ボウルに中力粉(100g)とセモリナ粉(100g)を合わせ、真ん中にくぼみを作ります。塩(ひとつまみ)とオリーブオイル(小さじ1)を加えた水(90ml)を少しずつ注ぎながら、粉を中心に向かって混ぜ込みます。 なお、水は様子を見ながら加えるのがポイントです。粉の吸水量は季節や湿度によって変わるため、生地がまとまる直前で加減します。
-
生地がひとつにまとまったら、台の上で10分ほどしっかりこねます。表面がなめらかになったら、ラップで包んで冷蔵庫で30分ほど休ませます。 なお、休ませることでグルテンが落ち着き、この後の作業で生地が縮みにくくなります。
-
休ませた生地を麺棒で1〜2mmの厚さに薄く伸ばし、たっぷりとセモリナ粉をふって軽く巻きます。端から3〜4mm幅に切り、切ったそばから手でほぐしておきます。 ポイントは、細すぎず、少し幅の残る断面です。ストランゴッツィはスパゲッティより少し幅広く、四角い断面をしているのが特徴です。
-
黒トリュフはブラシと流水で丁寧に汚れを落とし、清潔な布でしっかり水気を拭き取ります。仕上げ用に薄切りを数枚取り分け、残りは目の粗いおろし器ですりおろします。
-
深めのフライパンにオリーブオイル(大さじ3)とにんにく(皮つきのまま1片)を入れ、弱火でゆっくり熱します。にんにくがほんのり色づいたら火を止めます。 なお、にんにくは香りづけの役目だけです。焦がしてしまうと苦味が出て、繊細な黒トリュフの香りを覆い隠してしまいます。
-
火を止めたフライパンに、すりおろした黒トリュフと塩を加え、余熱だけで軽く和えます。 ポイントは、ここで絶対に火にかけ直さないことです。黒トリュフの香りの成分は熱にとても弱く、直接加熱すると立ちのぼる香りが失われてしまいます。
-
塩を効かせた湯でストランゴッツィを3〜4分ほど茹で、ゆで汁を大さじ2ほど残してざるにあげます。フライパンに戻し入れ、ゆで汁でゆるめながら手早く和えます。器に盛り、取り分けておいた黒トリュフの薄切りをのせて仕上げます。
⚠️ やってはいけないこと
- 黒トリュフを直接火にかけない: 香りの成分が熱で飛んでしまいます。必ず火を止めてから和えます。
- にんにくを焦がさない: 苦味が出て、黒トリュフの繊細な香りを消してしまいます。
- 生地をコクのある配合に近づけない: ストランゴッツィの魅力は、粉と水だけで作る軽さとシンプルさにあります。タリアテッレのような生地に寄せてしまうと、この土地らしい素朴さが失われます。
生地そのものは、実は日本の台所にある材料だけで十分に作れます。ハードルになるのは黒トリュフの入手だけです。ここでは、日本のスーパーで手に入る材料での作り方と、黒トリュフの現実的な選び方を、いっしょに見ていきましょう。
主な変更点
- 中力粉+セモリナ粉 → うどん用の中力粉は多くのスーパーで手に入り、セモリナ粉は製菓製パン材料売り場か輸入食材コーナーで探します
- 時間がない日は、乾燥スパゲッティやリングイネ(デュラム小麦100%のもの)で代用可。断面の違いはありますが、同じ方向性の一皿になります
- 黒トリュフ → 本来は輸入食材店やデパ地下、オンライン通販で探す食材です。冷凍黒トリュフや黒トリュフペースト・オイルで代用する場合は、香りの強さがかなり後退することを正直にお伝えします
材料(2人分:調理時間80分)
| 材料(JP) | 元の名前(IT) | 分量 | どこで買えるか | 代用 |
|---|---|---|---|---|
| 中力粉 | Farina di grano tenero tipo 0 | 100g | 製菓・製パン材料売り場、または一般の小麦粉売り場 | — |
| セモリナ粉 | Semola di grano duro rimacinata | 100g | 輸入食材コーナー、製菓製パン材料売り場 | 見つからなければ中力粉のみで代用(コシはやや弱くなる) |
| 水 | Acqua | 90〜100ml | どこでも | — |
| エキストラバージンオリーブオイル(生地用) | Olio extravergine d'oliva | 小さじ1 | どこでも | — |
| 塩(生地用) | Sale | ひとつまみ | どこでも | — |
| 黒トリュフ | Tartufo nero | 30〜40g | 輸入食材店、デパ地下、オンライン通販 | 冷凍黒トリュフ、または黒トリュフペースト・オイル(香りは大きく後退) |
| にんにく | Aglio | 1片 | どこでも | チューブにんにく少量 |
| エキストラバージンオリーブオイル(仕上げ用) | Olio extravergine d'oliva | 大さじ3 | どこでも | — |
| 塩(仕上げ用・茹で用) | Sale | 適量 | どこでも | — |
作り方
-
ボウルに中力粉(100g)とセモリナ粉(100g、なければ中力粉だけでも可)を合わせ、塩ひとつまみとオリーブオイル小さじ1を加えた水(90ml)を少しずつ加えながら、粉気がなくなるまで混ぜます。 なお、この工程は手打ちうどんの生地づくりに近いものがあります。水回しをゆっくり行うと、まとまりやすくなります。
-
台の上で10分ほどこね、なめらかになったらラップに包んで冷蔵庫で30分休ませます。
-
生地を麺棒で薄く伸ばし、セモリナ粉をふって軽く巻いたら、3〜4mm幅に切って手でほぐします。急ぐ場合は、この工程を省いて乾燥スパゲッティやリングイネ(デュラム小麦のみで作られたもの)を代わりに使ってもかまいません。断面の違いはありますが、同じ方向性の一皿に仕上がります。
-
黒トリュフ(30〜40g、または冷凍黒トリュフ)はブラシと流水で汚れを落とし、水気を拭き取ります。仕上げ用に薄切りを取り分け、残りをすりおろします。 なお、松茸を扱うときと同じように、黒トリュフも繊細な香りが命の食材です。触りすぎず、必要な分だけをすりおろすのがポイントです。
-
フライパンにオリーブオイル(大さじ3)とにんにく(1片)を入れて弱火にかけ、ほんのり色づいたら火を止めます。すりおろした黒トリュフと塩を加え、余熱だけで和えます。 黒トリュフペーストやオイルで代用する場合は、この段階で加えます。香りの強さは本物の黒トリュフに比べてかなり控えめになりますが、忙しい日にも一皿として十分に成立します。
-
塩を効かせた湯でパスタ(自家製なら3〜4分、乾麺の場合は表示時間)を茹で、ゆで汁を少し残してフライパンに移します。手早く和えて器に盛り、薄切りの黒トリュフをのせて仕上げます。
ヒント&コツ
- 黒トリュフは使う直前までキッチンペーパーに包んで冷蔵庫に入れておくと、香りが保たれます。米と一緒に密閉容器に入れておくと、香りが米にも移り、翌日はほんのり贅沢な一膳になります。
- 生地を伸ばすときは、麺棒を転がしながら軽く手で引っ張るようにすると、より均一な厚さになります。
- 黒トリュフが手に入らない日は、無理に用意せず、にんにくとオリーブオイルだけのシンプルな一皿として楽しむのも、この土地らしい選び方です。
スーパーの材料と手に入る範囲の黒トリュフでも、ここまでくれば十分にストランゴッツィです。次にウンブリア州を訪れることがあれば、ノルチャやスポレートの食堂で本場の一皿を頼んでみてください。あなたの台所で伸ばした生地の記憶と、静かに重なるはずです。
よくある質問
黒トリュフが手に入らない場合はどうすればいいですか? 冷凍の黒トリュフや、黒トリュフペースト・オイルで代用できます。香りの強さは本物に比べてかなり控えめになりますが、それでも十分に楽しめる一皿になります。手に入らない日は、にんにくとオリーブオイルだけのシンプルな一皿にするのも一案です。
パスタは必ず手作りしないといけませんか?乾麺でも大丈夫ですか? 本来のストランゴッツィは手打ちの生地が基本ですが、時間がない日はデュラム小麦だけで作られた乾燥スパゲッティやリングイネで代用しても十分においしく作れます。断面の違いはありますが、同じ方向性の一皿になります。
生地は前日に作っておけますか? はい、こねたあとラップに包んで冷蔵庫で保存すれば、翌日まで問題ありません。使う直前に少し室温に戻すと伸ばしやすくなります。切ってから冷凍する場合は、軽く粉をまぶしておくとくっつきにくくなります。
黒トリュフはどのくらい日持ちしますか? キッチンペーパーに包んで保存容器に入れ、冷蔵庫で3〜4日ほどが目安です。香りは日を追うごとに少しずつ弱くなるため、できるだけ早く使い切るのがおすすめです。
この料理に合うワインは? ウンブリア州の白ワイン、たとえばグレケット種のものが、黒トリュフの香りを邪魔せずによく合います。軽やかな赤ワインも試す価値があります。
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