フィレヤ・アッラ・ンドゥイヤのレシピ
本場のンドゥイヤは輸入食材店や通販でしか手に入らない食材ですが、手に入れば、カラブリア発祥のフィレヤにからめる深い赤色の一皿は日本の台所でも十分に再現できます。唐辛子の辛さとンドゥイヤの発酵の旨みが溶け込んだソースが特徴です。

- 調理時間
- 100分
- 人数
- 4名分
- 材料費
- 約¥2500
- 難易度
- ふつう
この料理について
フィレヤは、カラブリア州ヴィボ・ヴァレンツィア県に伝わる手作りのパスタです。細い棒(フェッレット)に生地を巻きつけてねじる動作から生まれる、筒状にねじれた形が特徴で、名前もこの「糸を紡ぐ」ような手の動きに由来すると言われています。すぐ近くのスピリンガという町では、豚肉の切り落としと脂身に唐辛子をたっぷりと練り込んだ、塗るタイプのサラミ「ンドゥイヤ」が作られてきました。もともとは保存の知恵から生まれた食材ですが、2010年代以降は世界の料理人からも注目を集めるようになっています。フィレヤにンドゥイヤを溶かし込んだこの一皿は、そんなカラブリアの台所の知恵をそのまま映した組み合わせです。
3つのレシピ、ひとつの料理
同じ料理を3つのレベルで。本格にどこまで寄せるかは、あなた次第です。
フィレヤ・アッラ・ンドゥイヤの伝統的な配合は、デュラム小麦のセモリナ粉と水だけで作るフィレヤ、ンドゥイヤ、トマトの水煮、バジルの四つです。生地に卵を加えないのは、しっかりとした歯ごたえを保つための選択であり、ンドゥイヤ自体の脂がソースの結着を担うため、他の乳製品を加える必要がありません。
材料(4人分):調理時間1時間40分
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 生地用(フィレヤ) | |
| デュラム小麦のセモリナ粉 | 400g |
| ぬるま湯 | 220g |
| 塩(生地用) | ひとつまみ |
| ソース用 | |
| ンドゥイヤ | 200g |
| トマトの水煮(パッサータ) | 500g |
| エキストラバージンオリーブオイル | 大さじ2 |
| バジル(生葉) | 4枚 |
| 塩(ゆで汁用) | 適量 |
作り方
-
台の上にセモリナ粉(400g)をふるい入れ、中央にくぼみを作ります。ぬるま湯(220g)と塩(ひとつまみ)を少しずつ加えながら、生地がまとまるまでこねます。 なお、この生地は柔らかすぎるとねじった形が茹でている間に崩れてしまうため、耳たぶよりも少し硬いくらいを目安にします。
-
生地がなめらかになるまで20〜25分ほどこね続け、乾いた布をかけて常温で30分ほど休ませます。
-
生地を直径1cmほどの棒状に伸ばし、2〜3cmの長さに切り分けます。細い金串やフェッレットに一片をのせ、両手のひらで転がしながら生地を巻きつけ、8〜10cmほどの筒状にねじって引き抜きます。 ポイントは、力を均等にかけて転がすことです。太さが均一になり、茹で上がりのムラが少なくなります。
-
フライパンにオリーブオイル(大さじ2)を熱し、ンドゥイヤ(200g)を崩しながら加えます。弱火で2〜3分ほど、脂が溶けて全体になじむまで炒めます。
-
トマトの水煮(500g)を加え、弱火のまま10〜15分ほど煮詰めます。ンドゥイヤの脂と唐辛子の色が溶け出し、ソース全体が深い赤色になったら火を弱めます。
-
大きな鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩(適量)を加えます。フィレヤを入れ、生地が浮き上がってきたら引き上げてソースに加えます。 なお、生パスタは乾麺よりずっと早く火が通るため、目を離さないようにします。
-
パスタとソースを強火で手早く和え、バジル(4枚)をちぎって加えます。塩加減を見て仕上げます。
⚠️ やってはいけないこと
- 生地をゆるく仕込まない: 水を入れすぎると、ねじった形が茹でている間にほどけてしまいます。
- ンドゥイヤを高温で長時間炒めない: 脂と唐辛子が焦げ、苦みが出ます。溶かす程度の弱火にとどめます。
- 乳製品でソースを伸ばさない: ンドゥイヤ自体の脂が結着を担うため、コクを足す目的で加えると、南イタリアの一皿らしい輪郭がぼやけます。
フィレヤを一から手作りするのは、時間のある週末向きの作業です。平日の食卓には、乾燥パスタで代用したフィレヤ・アッラ・ンドゥイヤが向いています。ンドゥイヤそのものは日本のスーパーには置いていないので、輸入食材店か通販で手に入れることになりますが、手に入りさえすれば、あとの手順はとても短時間で済みます。さっそく作り方を見ていきましょう。
主な変更点
- 手作りのフィレヤ(セモリナ粉と水)→ 乾燥パスタのフジッリ(スーパーの乾麺売り場)
- トマトの水煮(パッサータ)→ カットトマト缶(同じくスーパーで購入可)
- ンドゥイヤは代用不可。輸入食材店または通販での購入が前提
材料(4人分):調理時間30分
| 材料 | 分量 | どこで買えるか |
|---|---|---|
| フジッリ(乾燥パスタ) | 500g | 乾麺売り場(フィレヤの代用) |
| ンドゥイヤ | 200g | 輸入食材店・オンライン(代用不可) |
| カットトマト缶 | 400g(1缶) | 缶詰売り場 |
| エキストラバージンオリーブオイル | 大さじ2 | 油売り場 |
| バジル(生葉) | 4枚 | 青果コーナー・ハーブ売り場 |
| 塩(ゆで汁用) | 適量 | どこでも |
作り方
-
フライパンにオリーブオイル(大さじ2)を熱し、ンドゥイヤ(200g)を崩しながら加えます。弱火で2〜3分、脂が溶けて全体になじむまで炒めます。 なお、ンドゥイヤを油でじっくり溶かすこの手順は、麻婆豆腐で豆板醤をひき肉と油でじっくり炒めて香りを移す手順に近いものです。
-
カットトマト缶(400g)を加え、木べらで軽く潰しながら弱火で10〜15分ほど煮詰めます。ソース全体が深い赤色になったら火を弱めます。
-
別の鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩(適量)を加えてフジッリ(500g)を袋の表示時間どおりに茹でます。ゆで汁を少量取り分けてから湯を切ります。
-
フジッリをソースに加え、強火で手早く和えます。ゆで汁を少しずつ加えながら、パスタ全体にソースが均一にからむまで混ぜます。バジル(4枚)をちぎって加え、塩加減を見て仕上げます。
ヒント&コツ
- 辛さの調整: ンドゥイヤの量を150gほどに減らすと、辛さがやや穏やかになります
- ソースの濃度: 煮詰まりすぎたら、ゆで汁を大さじ1〜2杯ほど加えて調整します
- フジッリ以外の代用: ペンネやカゼレッチェなど、溝のある短いパスタでも同様に仕上がります
次にカラブリアを訪れる機会があれば、ヴィボ・ヴァレンツィアの食堂で本物のフィレヤ・アッラ・ンドゥイヤを頼んでみてください。ねじれた生地にソースが絡みつく感触は、輸入食材で仕上げた自分の台所の記憶と、静かに重なるはずです。
よくある質問
フィレヤの生地が作れない場合は? 乾燥パスタで代用できます。フジッリやペンネなど、溝のある短いパスタを選ぶと、ソースがよくからみます。
ンドゥイヤはどこで買えますか? 日本の一般的なスーパーではほとんど扱っていません。輸入食材専門店やオンラインの通販サイトで見つかります。
辛すぎないか心配です。調整できますか? ンドゥイヤの量を減らすか、トマトの量を少し増やすと辛さが穏やかになります。子供と食べる場合は、大人の分だけ別に仕上げるのもおすすめです。
ソースは日持ちしますか?前日に作っておけますか? はい。ソースだけなら冷蔵庫で2〜3日ほど保存できます。前日に仕込んでおき、食べる直前にパスタと和えると味がなじんでちょうど良くなります。冷凍も可能です。
この料理に合うワインや副菜は? カラブリアの赤ワインや、辛口のロゼとよく合います。副菜には、苦みのある葉野菜を軽くソテーしたものがおすすめです。
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