ピッツァ・マルゲリータ
水牛モッツァレラとサンマルツァーノトマト、生バジルだけで仕上げる、ナポリ発祥のピッツァ・マルゲリータ。輸入の00粉が理想ですが、強力粉と薄力粉を混ぜ、家庭用オーブンとピザストーンでも、生地の発酵からこだわった一枚に焼き上がります。

- 調理時間
- 480分
- 人数
- 2名分
- 材料費
- 約¥900
- 難易度
- 本格的

3つのレシピ、ひとつの料理
同じ料理を3つのレベルで。本格にどこまで寄せるかは、あなた次第です。
マルゲリータの配合は、トマト、オリーブオイル、モッツァレラ、そしてバジルの四つだけです。もう一つの定番の配合とは違い、香味野菜も乾燥ハーブも加わりません。この単純さこそが、ナポリの職人たちが規約として定めた「本物」の条件であり、生地の仕込みから焼成まで、どの工程にも省略の余地はありません。実際に手を動かす時間は40分ほどですが、二つの発酵に定められた時間をかけることが、この本格さを支えています。
材料(2人分)
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 00粉 | 320g |
| 水(常温) | 200ml |
| 生イースト | 1g |
| 海塩(生地用) | 8g |
| サンマルツァーノトマト(缶) | 160g |
| 水牛モッツァレラ | 160g |
| バジル(生) | 8枚 |
| エキストラバージンオリーブオイル | 大さじ1 |
| 海塩(仕上げ用) | 少々 |
作り方
1. 生地を仕込む
ボウルに00粉(320g)を入れ、生イースト(1g)を溶かした水(200ml)を少しずつ加えます。粉気がなくなったら海塩(8g)を加え、さらに10分ほど生地を折りたたむように混ぜます。台の上に取り出し、20分ほど生地を持ち上げては叩きつける動作を繰り返し、なめらかな一つの塊にまとめます。
2. 一次発酵(プンタータ)
ボウルに戻し、ラップをかけて18〜22℃の室温で2時間ほど休ませます。ひとまわり大きくなれば十分です。
3. 分割(スタリオ)
生地を2つに分け、それぞれ260gほどの生地玉に丸め直します。表面を張らせるように、生地の外側を下に折り込みながら丸めます。
4. 二次発酵(アプレット)
生地玉をひとつずつ別の容器に入れ、4〜6時間ほど室温で休ませます。触れると指がゆっくり沈み、跡がすぐには戻らない状態になれば準備完了の合図です。
5. 生地を広げる
打ち粉をした台に生地玉をのせ、中心から外側へ指で優しく押し広げます。生地を数回ひっくり返しながら、直径28〜30cmほどの円盤にします。中心の厚みは2.5mmを超えないようにし、ふちの部分は触れずにそのまま残します。
6. トッピング
手で崩したサンマルツァーノトマト(80g)を、ふちを1〜2cm残して薄く広げます。水牛モッツァレラ(80g)を手でちぎって全体に散らし、バジル数枚とオリーブオイルをひとまわしかけます。
7. 焼く
430〜480℃に熱した薪窯で、生地を回しながら60〜90秒焼きます。ふちが大きく膨らみ、まだらに焦げ色がつけば焼き上がりです。
⚠️ やってはいけないこと
麺棒で生地を伸ばす 発酵で生まれた気泡がすべてつぶれてしまい、ふちが膨らまなくなります。手で押し広げるのが唯一のやり方です。
もう一つの配合を混ぜ込む 香味野菜や乾燥ハーブを加えた配合が別に存在しますが、この二つはマルゲリータの配合には入りません。混ぜてしまうと、マルゲリータではない別の一枚になります。
トマトを煮詰めてから使う 生のまま手で潰して使うのが伝統的なやり方です。煮詰めて水分を飛ばしたソースを使うと、テクスチャーも味わいも別の料理に近づいてしまいます。
モッツァレラの水切りを怠る 水分が残ったまま使うと生地がふやけてしまい、ふちの膨らみと中心の食感の対比が損なわれます。
家庭のオーブンでも、マルゲリータの核心——よく発酵した生地、手で潰したトマト、とろけるモッツァレラ——は十分に再現できます。ふちはかりっと香ばしく、中はもちもちに仕上がる一枚を、スーパーで揃う材料から作っていきましょう。
主な変更点
| 項目 | L1(本格) | L2(日本での代用) | 妥協点 |
|---|---|---|---|
| 粉 | 00粉(輸入食材店) | 強力粉と薄力粉を同量ずつ | 伸びの良さはやや落ちるが、気泡構造は再現できる |
| 焼成 | 薪窯、430〜480℃で60〜90秒 | 家庭用オーブン最高温度+ピザストーン(予熱1時間、8〜12分) | ふちの膨らみ方はやや控えめになるが、香ばしさは十分に出せる |
| モッツァレラ | 水牛モッツァレラ(輸入食材店) | フレッシュモッツァレラ(スーパーの輸入食材コーナー) | コクはやや軽くなるが、フレッシュタイプなら食感は近い |
材料(2人分)
| 材料(JP) | 元の名前(IT) | 分量 | どこで買えるか | 代用 |
|---|---|---|---|---|
| 強力粉 | farina forte | 160g | 製菓・製パン材料コーナー | — |
| 薄力粉 | farina debole | 160g | 製菓・製パン材料コーナー | — |
| 水 | acqua | 200ml | どこでも | — |
| ドライイースト | lievito di birra | 2g | 製菓・製パン材料コーナー | 生イーストでも可(分量は倍量に) |
| 塩(生地用) | sale | 8g | どこでも | — |
| ホールトマト缶 | pomodoro San Marzano | 160g | どこでも | サンマルツァーノ種の缶があれば尚良い |
| フレッシュモッツァレラ | mozzarella di bufala | 160g | スーパーの輸入食材コーナー | 水牛モッツァレラがあれば尚良い |
| バジル(生) | basilico | 8枚 | 野菜売り場 | — |
| エキストラバージンオリーブオイル | olio extravergine | 大さじ1 | どこでも | — |
| 塩(仕上げ用) | sale | 少々 | どこでも | — |
作り方
-
ボウルに強力粉(160g)と薄力粉(160g)を合わせ、ドライイースト(2g)を溶かした水(200ml)を少しずつ加えます。粉気がなくなったら塩(8g)を加え、さらに10分ほど生地を折りたたむように混ぜます。台の上に取り出し、20分ほど生地を持ち上げては叩きつけ、なめらかな一つの塊にまとめます。
-
ボウルに戻し、ラップをかけて室温(18〜22℃が目安)で2時間ほど休ませます。
なお、この工程は生地の中でグルテンをゆっくり育てる時間で、蕎麦やうどんの生地を寝かせてコシを出す考え方と近いものがあります。
-
生地を2つに分け、それぞれ表面を張らせるように丸め直し、別々の容器に入れてラップをし、4〜6時間ほど室温で休ませます。触れると指がゆっくり沈み、跡がすぐに戻らなければ準備完了です。
-
オーブンにピザストーンを入れ、最高温度で1時間ほど予熱します。
-
打ち粉をした台に生地玉をのせ、中心から外側へ指で優しく押し広げます。直径28〜30cmほどの円盤にし、ふちの部分は触れずに厚みを残します。
なお、麺棒は使いません。生地の中の気泡をつぶしてしまい、ふちが膨らまなくなるためです。
-
手で崩したホールトマト(80g)を、ふちを1〜2cm残して薄く広げます。フレッシュモッツァレラ(80g)を手でちぎって散らし、バジル数枚とオリーブオイルをひとまわしかけます。
-
予熱したピザストーンに生地を滑らせてのせ、8〜12分焼きます。焼き上がりの1〜2分は、可能であればオーブンの上火に切り替えると、ふちに焦げ色がつきやすくなります。
なお、網の上で焼く餅が高温で急にふくらむように、生地のふちも高温にさらされた瞬間に一気に膨らみます。
ヒント&コツ
- モッツァレラは使う前にキッチンペーパーで包み、余分な水分を吸わせておくと生地がふやけません。
- ピザストーンがない場合は、天板を裏返して同じように長めに予熱すると近い効果が得られます。
- 生地は2つに分けた時点で冷蔵・冷凍もできるので、時間のある日にまとめて仕込んでおくと平日の負担が減ります。
スーパーの材料でも、ここまでくればマルゲリータの核心は十分に再現できます。次にナポリを訪れることがあれば、狭い路地の食堂で焼きたての一枚を頼んでみてください。あなたの台所で膨らんだふちと、静かに重なるはずです。
よくある質問
Q. 麺棒を使ってはいけませんか? A. 発酵で生まれた気泡が麺棒でつぶれてしまい、ふちの膨らみが失われます。手で優しく押し広げるのがこのピッツァの核心です。
Q. ピザストーンがなくても作れますか? A. 天板を裏返して同じように長めに予熱すれば、近い効果が得られます。ストーンほどの高温は出ませんが、焼き時間を1〜2分延ばせば十分に焼き上がります。
Q. 生地は前日に仕込んでおけますか? A. 分割まで済ませた生地玉は冷蔵庫で一晩休ませられます。むしろゆっくり発酵させたほうが香りに深みが出るので、前日仕込みはおすすめです。
Q. 冷凍できますか? A. 分割した生地玉はラップに包んで冷凍できます。2週間ほど保存でき、使う前日に冷蔵庫に移して自然解凍してください。
Q. 水牛モッツァレラが手に入らない場合は? A. フレッシュモッツァレラであれば、水牛でなくても近い食感に仕上がります。パックされたシュレッドタイプのチーズは水分量も食感も違うため、避けたほうが良い結果になります。
Q. 子供と一緒に作れますか? A. 生地を指で広げたり、具材を散らしたりする工程は子供でも十分に楽しめます。窯を使わない家庭のオーブンなら、火の取り扱いも比較的安全に進められます。
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