Umbria · ウンブリア

カステッルッチョのレンズ豆のスープ

Zuppa di lenticchie di Castelluccio

ウンブリア州カステッルッチョ産のレンズ豆は、水に浸けずにそのまま煮られるのが魅力。香味野菜とトマトでじっくり煮て、日本で手に入る皮付きのレンズ豆でも、粒が崩れない素朴で滋味深いスープに仕上げます。

公開日

白い深皿に盛られた、小粒の茶色いレンズ豆がそのままの形で残るスープ。香ばしく焼いたパンの角切りがのっている
調理時間
60分
人数
4名分
材料費
約¥700
難易度
やさしい
カロリー(1人分)
約490kcal

この料理に合うワイン

Cantina →
本場イタリアの一本
赤・辛口 · DOC

モンテファルコ・ロッソ

Montefalco Rosso

ルビー色に紫の輝き。赤い果実の香りと、軽い渋みのある辛口です。

産地
ウンブリア州
ぶどう品種
サンジョヴェーゼ、サグランティーノ、メルローなどの黒ぶどう品種
造り手の例
  • アルナルド・カプライ「モンテファルコ・ロッソ」
  • ルンガロッティ「モンテファルコ・ロッソ」
  • アントネッリ・サン・マルコ「モンテファルコ・ロッソ」
日本で買える一本
赤・辛口 · イタリア・ウンブリア州
アルナルド・カプライ

モンテファルコ・ロッソ

Arnaldo Caprai Montefalco Rosso

ルビーレッドで、熟した果実の香り。厚みと繊細さのある辛口です。

ぶどう品種
サンジョヴェーゼ、サグランティーノ、メルロ
輸入元
株式会社飯田
ワインショップや輸入食材店で同じワイン
合わせる理由

豆と野菜の素朴なスープに、サンジョヴェーゼ主体の赤がなじみます。穏やかな渋みが豆の風味を覆わず、トマトの酸味ともほどよくつり合います。

お酒は20歳になってから。

レンズ豆の産地、カステッルッチョのピアン・グランデ高原。赤いひなげしや白い花が一面に咲く花畑の向こうに、なだらかな丘の畑が広がる

カステッルッチョのレンズ豆のスープとは

雪解けを待って種がまかれ、初夏には高原が花の色に染まります。ウンブリア州ノルチャの郊外にあるカステッルッチョは、そんな小さな豆の産地です。この豆で煮るスープは、特別な日のごちそうというより、台所の延長にある一皿。今日はその作り方を、なぜそうするのかも含めて、いっしょに見ていきましょう。

カステッルッチョの高原は、ノルチャとカステル・サンタンジェロ・スル・ネーラにまたがる、標高およそ1400メートルの平原で、シビッリーニ山脈の国立公園のなかにあります。レンズ豆はこの土地に古くから根づく在来の系統で、1997年にヨーロッパの地理的表示の保護制度に登録され、国内の規則は1998年末の政令で定められました。粒はごく小さく、平たくて丸く、皮が薄いのが特徴です。種まきは雪解けのころ、花の季節は5月から7月で、収穫した豆は一年を通して食べられるよう蓄えられてきました。この豆をいただく、もっとも伝統的な方法のひとつがスープです。イタリアでは大晦日の食卓にレンズ豆を並べて幸運と富を願う習慣があり、カステッルッチョの豆は、豚肉の腸詰めコテキーノと合わせて出されることが多いといわれます。

3つのレシピ、ひとつの料理

同じ料理を3つのレベルで。本格にどこまで寄せるかは、あなた次第です。

カステッルッチョのレンズ豆のスープの骨格は、豆と香味野菜、トマト、オリーブオイルです。肉も生クリームも加えず、豆そのものの風味を味わいます。皮が薄いため浸水は要らず、洗ってすぐ鍋に入れられるのが、この豆の何よりの特徴です。

材料(4人分)

材料分量
カステッルッチョのレンズ豆300g
玉ねぎ1個
にんじん1本
セロリ1本
じゃがいも1個
にんにく1かけ
セージ(ハーブの一種)数枚
トマトのパッサータ(裏ごしトマト)100ml
エキストラバージンオリーブオイル適量
塩・黒胡椒適量
水(豆がかぶる量、冷たいもの)約1リットル
田舎パン(トースト用)4切れ

作り方

1. 豆を洗う

レンズ豆(300g)を水で洗い、小石などが混じっていないか確かめます。浸水はしません。

2. 野菜を刻む

玉ねぎ(1個)、にんじん(1本)、セロリ(1本)、じゃがいも(1個)をみじん切りにします。

3. 香味野菜を炒める

できれば素焼きの厚手の鍋にオリーブオイルを少量引き、刻んだ野菜、にんにく(1かけ)、セージ(数枚)を弱めの中火でしんなりするまで炒めます。

なお、アルミの鍋は豆が黒ずむことがあるので避けます。

4. 豆と冷たい水を入れる

洗った豆を加え、豆が完全にかぶるまで冷たい水を注ぎます。

なお、熱い湯から煮はじめたり、強火で一気に沸かしたりすると、火の通りにむらが出ます。

5. 弱火で煮る

沸いたら火を弱め、トマトのパッサータ(100ml)を加えます。豆が煮汁から出ないように見ながら、蓋をして30〜40分ほど、ときどき混ぜて煮ます。

6. 塩で整える

豆がやわらかくなったら、塩と黒胡椒で味を調えます。

なお、塩は煮上がり間際に入れます。早く入れると、豆が割れたり、皮が硬くなったりするためです。

7. 盛りつける

にんにくを取り除き、器に盛ってエキストラバージンオリーブオイルを生のまま回しかけ、トーストした田舎パン(4切れ)を添えます。

⚠️ やってはいけないこと

熱い湯から煮る、強火で煮立てる

豆の火の通りがそろわず、煮崩れた粒と芯の残った粒が混ざってしまいます。冷たい水から、静かに温めていくのが基本です。

最初から塩を入れる

豆が割れやすくなり、皮も硬くなります。塩は煮上がり間際です。

アルミの鍋で煮る

豆が黒ずむことがあります。素焼きの鍋やホーロー、ステンレスの厚手の鍋を選びます。

時間の目安だけで火を止める

豆の大きさや乾き具合で、煮え時間は変わります。時間はあくまで目安にして、最後は味見で決めます。


よくある質問

Q. レンズ豆は水に浸けないといけませんか? A. カステッルッチョ産は皮が薄く粒も小さいので、浸水せずに煮られます。日本で買える皮付きの小粒なレンズ豆も、浸水なしで煮られるものが多いので、袋の表示を確かめてください。

Q. カステッルッチョ産が手に入らないときは? A. 皮付きのブラウンレンズ豆かグリーンレンズ豆で作れます。粒が少し大きいぶん、煮え時間が変わるので、味見をしながら調整します。皮をむいた赤いレンズ豆は煮崩れてしまうので、このスープには向きません。

Q. 前日に作っておけますか? 冷凍できますか? A. 前日に作っておけます。冷蔵で2〜3日ほど保存できます。冷凍もできますが、じゃがいもの食感が少し変わります。パンは食べる直前にトーストして添えてください。

Q. なぜ年越しにレンズ豆を食べるのですか? A. イタリアでは、大晦日の食卓にレンズ豆を並べるのが、幸運と富を願う昔ながらの習慣とされています。カステッルッチョの豆を使ったスープも、その食卓にふさわしい一皿です。

Q. 子供でも食べられますか? A. 辛みの強い香辛料を使わず、野菜と豆だけで煮るやさしい味なので、子供にも食べやすい一皿です。黒胡椒は、お子さんの分は控えめにするか、取り分けたあとで大人の分にだけかけてください。

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