オリーヴェ・アスコラーネ
アスコリ・ピチェーノ発祥、緑オリーブに三種の肉だねを詰めて揚げるマルケ州の名物です。輸入食材店の大粒グリーンオリーブと日本のスーパーで揃うひき肉で、外はカリッと中はジューシーな本格オリーヴェ・アスコラーネに仕上げます。
公開日 · 更新日

- 調理時間
- 120分
- 人数
- 4名分
- 材料費
- 約¥2200
- 難易度
- 本格的
この料理に合うワイン
Cantina ワインの早見表 →オッフィーダ・ ペコリーノ
麦わら色の辛口の白。ペコリーノ種らしい個性のある香りをもちます。
- 産地
- マルケ州
- ぶどう品種
- ペコリーノ
- ヴェレノージ「ヴィッラ・
アンジェラ」Velenosi Villa Angela - テヌータ・
コッチ・ グリフォーニ「コッレ・ ヴェッキオ」Tenuta Cocci Grifoni Colle Vecchio - チュー・
チュー「メルレッタイエ」Ciù Ciù Merlettaie
ヴィッラ・ アンジェラ・ オッフィーダ・ ペコリーノ
黄色い果実やセージ、タイムの香り。なめらかで果実味が豊かな辛口です。
- ぶどう品種
- ペコリーノ
- 輸入元
- 株式会社稲葉
揚げ衣の油と肉だねのコクを、ペコリーノ種の酸が軽くします。ハーブのような香りが、オリーブの塩味によく合います。
お酒は20歳になってから。

3つのレシピ、ひとつの料理
同じ料理を3つのレベルで。本格にどこまで寄せるかは、あなた次第です。
オリーヴェ・アスコラーネの土台は、アスコラーナ・テネラという、色の薄い大粒のオリーブです。牛肉・豚肉・鶏肉の三種を合わせた肉だねを、種を抜いた実の中に詰め、衣をつけて揚げます。手間のかかる工程ですが、どれも省略できません。
材料(4人分・24個の目安)
オリーブ
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| グリーンオリーブ(種抜き前、大粒。本来はアスコラーナ・テネラ種) | 500g(約24粒) |
詰め物
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 玉ねぎ | 1/4個 |
| にんじん | 1/4本 |
| セロリ | 1/4本 |
| エキストラバージンオリーブオイル | 大さじ2 |
| 牛肉(塊または粗びき) | 150g |
| 豚肉(塊または粗びき) | 100g |
| 鶏肉(むね肉、塊または粗びき) | 50g |
| 白ワイン | 50ml |
| パルミジャーノ・レッジャーノ(すりおろし) | 50g |
| 卵 | 1個 |
| ナツメグ | 少々 |
| レモンの皮(すりおろし) | 1/2個分 |
| 塩・黒胡椒 | 適量 |
衣・仕上げ
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 薄力粉 | 100g |
| 卵(衣用) | 2個 |
| パン粉 | 200g |
| 揚げ油(ピーナッツオイルまたはオリーブオイル) | 適量 |
| レモン(くし切り、添え用) | 適量 |
作り方
1. 香味野菜を炒める
玉ねぎ・にんじん・セロリ(各分量)をみじん切りにし、オリーブオイル(大さじ2)で中火にかけ、しんなりするまで炒めます。
2. 三種の肉を煮る
牛肉(150g)・豚肉(100g)・鶏肉(50g)を1.5cm角ほどに切って加え、塩をふって中火で表面が色づくまで炒めます。白ワイン(50ml)を加えてアルコール分を飛ばし、蓋をして弱火で30分ほど煮ます。
なお、汁気がなくなりそうなときは、白ワインか水を少量ずつ足しながら火を通します。焦がさずに芯まで柔らかく仕上げることが、なめらかな詰め物を作る条件です。
3. 冷まして挽く
煮上がった肉と野菜を完全に冷まし、フードプロセッサーで細かく挽きます。
なお、肉だねが温かいうちに次の工程に進むと、脂が溶けて詰め物がゆるくなり、オリーブに詰めにくくなります。ここでしっかり冷ますことが、二つ目の関門です。
4. 詰め物を仕上げる
挽いた肉と野菜に、パルミジャーノ・レッジャーノ(50g)、卵(1個)、ナツメグ、レモンの皮(1/2個分)、塩・黒胡椒を加えてよく練り混ぜ、冷蔵庫で30分ほど休ませます。
5. オリーブをらせん状に切り開く
種抜き前のオリーブ(500g)を1粒ずつ手に持ち、小さなナイフの刃を実の中心、種に沿わせながら、実の外側をぐるぐると一周させるように切り進めます。一本の帯になったまま実がほどけ、種だけが残ります。
なお、この切り方がオリーヴェ・アスコラーネの核心です。実を一周させて薄い帯にする感覚をつかむまでは、何粒か練習してから本番に取りかかると安心です。
6. 詰めて丸め直す
帯状になった実で、小さく丸めた詰め物(1粒あたり小さじ1程度)を包み込み、もとの丸い形に握り直します。
7. 衣をつける
薄力粉(100g)、溶いた卵(2個)、パン粉(200g)の順に一つずつくぐらせ、バットに並べて冷蔵庫で20分ほど休ませます。
なお、衣をつけてすぐに揚げると、油の中で崩れやすくなります。実になじませてから揚げることが、きれいな仕上がりにつながります。
8. 揚げる
揚げ油を170〜175℃に熱し、オリーブを数個ずつ、きつね色になるまで3〜4分ほど揚げます。油を切り、レモンを添えて熱いうちにいただきます。
⚠️ やってはいけないこと
肉だねが温かいうちにオリーブに詰める 脂が溶けて詰め物がゆるみ、成形の途中で崩れたり、油の中で破裂したりする原因になります。芯まで冷めてから作業してください。
熟成が進んで色が濃くなった実を選ぶ 本来は、色の薄い大粒の実を使います。熟度が進んだ実は果肉がやわらかくなりすぎて、らせん状に切る途中でちぎれやすくなります。
衣をつけてすぐに揚げる 衣が実になじむ前に高温の油に入れると、破れて中の詰め物が流れ出てしまいます。短時間でも構わないので、必ず休ませてください。
油の温度が低いまま揚げる 温度が低いと衣が油を吸い込み、べたついた仕上がりになります。170℃前後をキープしながら、数個ずつ揚げてください。
マルケ州の家庭でも、オリーヴェ・アスコラーネは特別な日だけのごちそうではありません。手間はかかりますが、日本のスーパーで揃う材料でも十分に作れる揚げ物です。もっとも難しいとされるオリーブのらせん切りも、種抜き済みの実を使えば省略できます。
主な変更点
| 項目 | L1(本格) | L2(日本での代用) | 妥協点 |
|---|---|---|---|
| オリーブ | 種抜き前の大粒グリーンオリーブを、らせん状に切り開いて詰める | 輸入食材店の瓶詰め種抜き済みオリーブ、穴に直接詰める | らせん状の帯を巻き直す工程を省略できる。衣をつけて揚げれば見た目の差はほぼわからない |
| 肉 | 牛肉・豚肉・鶏肉を塊のまま煮てから挽く | 市販の牛豚合い挽き肉に鶏ひき肉を少量足す | 下ごしらえの手間が減る。食感はやや均一になるが、味の差はわずか |
| 揚げ油 | ピーナッツオイル | サラダ油などくせのない油 | 香ばしさがわずかに穏やかになる |
材料(4人分・24個の目安)
| 材料(JP) | 元の名前(IT) | 分量 | どこで買えるか | 代用 |
|---|---|---|---|---|
| 大粒グリーンオリーブ(種抜き済み) | olive verdi | 500g(約24粒) | 輸入食材店・デリコーナー | 種抜き前が手に入れば、らせん切りにも挑戦可 |
| 玉ねぎ・にんじん・セロリ | soffritto | 各適量 | どこでも | — |
| オリーブオイル | olio extravergine d'oliva | 大さじ2 | どこでも | — |
| 牛豚合い挽き肉 | carne di manzo e maiale | 200g | どこでも | — |
| 鶏ひき肉 | carne di pollo | 50g | どこでも | 省略して合い挽き肉のみでも可(風味がやや単調になる) |
| 白ワイン | vino bianco | 50ml | 酒コーナー | — |
| パルミジャーノ・レッジャーノ | parmigiano reggiano | 50g | チーズ売り場 | 粉チーズで代用可(コクはやや控えめに) |
| 卵 | uovo | 1個+衣用2個 | どこでも | — |
| ナツメグ | noce moscata | 少々 | 香辛料売り場 | — |
| レモンの皮・レモン | scorza di limone / limone | 1/2個分+添え用 | どこでも | — |
| 薄力粉 | farina | 100g | どこでも | — |
| パン粉 | pangrattato | 200g | どこでも | — |
| 揚げ油 | olio di semi | 適量 | どこでも | — |
作り方
-
玉ねぎ・にんじん・セロリをみじん切りにして炒め、牛豚合い挽き肉(200g)と鶏ひき肉(50g)を加えて色が変わるまで炒めます。白ワイン(50ml)を加えてアルコール分を飛ばし、弱火で20分ほど、汁気がなくなるまで煮ます。
なお、最初からひき肉を使うこの作り方は、塊肉を煮てから挽く本来の工程よりずっと早く仕上がります。食感はやや均一になりますが、味わいはほとんど変わりません。
-
煮上がった肉だねを完全に冷まし、フードプロセッサーでなめらかになるまで挽き、パルミジャーノ・レッジャーノ(50g)、卵(1個)、ナツメグ、レモンの皮(1/2個分)、塩・黒胡椒を混ぜ合わせます。冷蔵庫で30分ほど休ませます。
-
種抜き済みのオリーブ(500g)の穴に、小さく丸めた詰め物を指で押し込みます。
なお、この詰め方は、れんこんの穴に肉だねを詰めて揚げる挟み揚げの手つきに近いものがあります。すでに開いている穴を利用するので、らせん状に切り開く工程を省略できます。
-
薄力粉(100g)、溶いた卵(2個)、パン粉(200g)の順にくぐらせます。
なお、粉・卵・パン粉の順に衣をつけて揚げる流れは、とんかつを作るときとまったく同じ要領です。
-
冷蔵庫で20分ほど休ませたあと、170℃前後の油で数個ずつ、きつね色になるまで3〜4分揚げます。
ヒント&コツ
- 詰め物は多めに作って冷凍しておくと、次回はオリーブに詰めて揚げるだけで済みます。
- 衣をつけたら急がず、冷蔵庫でしっかり休ませると、揚げている間に破れにくくなります。
- 一度にたくさん揚げると油の温度が下がるので、数個ずつ揚げるときれいに仕上がります。
スーパーの材料でも、ここまでくればオリーヴェ・アスコラーネの核心、ジューシーな肉だねとカリッとした衣の対比は十分に味わえます――次にマルケ州を訪れることがあれば、アスコリ・ピチェーノの広場で、揚げたての一粒を頬張ってみてください。あなたの台所で握った重みと、静かに重なるはずです。
よくある質問
Q. 揚げずにオーブンで焼くこともできますか? A. オーブン焼きも家庭でよく作られる方法ですが、衣のカリッとした食感や肉だねのジューシーさはかなり変わり、別の料理に近づきます。本来の味わいを楽しみたいときは、揚げることをおすすめします。
Q. 種抜き前のオリーブが手に入りません。 A. 種抜き済みの瓶詰めオリーブでも問題ありません。穴に詰め物を直接押し込む方法で、十分においしく仕上がります。種抜き前の実が手に入ったときは、らせん状に切り開く本来の作り方にもぜひ挑戦してみてください。
Q. 肉だねは前日に作っておけますか? A. 前日に作って冷蔵庫で休ませておくと、味がなじんでむしろおいしくなります。詰めて衣をつける作業だけを当日に行えば、負担が減ります。
Q. 冷凍保存はできますか? A. 衣をつける前、あるいは揚げたあとの状態で冷凍できます。凍ったまま、少し低めの温度でじっくり揚げると、中まで温まります。
Q. パルミジャーノ・レッジャーノがない場合は? A. 粉チーズで代用できます。熟成によるコクは控えめになりますが、詰め物としての役割は十分に果たします。
Q. どんなワインに合いますか? A. マルケ州では、地元の白ワイン「ファレリオ」や「オッフィーダ・ペコリーノ」と合わせるのが定番です。すっきりとした辛口の白ワインであれば、揚げ物の脂を軽やかに受け止めてくれます。
代用食材ガイド
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