ペペローニ・クルスキのパスタのレシピ
バジリカータ州の乾燥パプリカ「ペペローニ・クルスキ」を数秒だけ油にくぐらせ、香ばしく炒めたパン粉といっしょにパスタへ。輸入食材が要る一皿ですが手順は短く、南イタリアの素朴な甘みと塩気が、日本の台所にそのまま立ち上がります。
公開日 · 更新日

- 調理時間
- 30分
- 人数
- 4名分
- 材料費
- 約¥2200
- 難易度
- ふつう
この料理に合うワイン
Cantina ワインの早見表 →アリアニコ・ デル・ ヴルトゥレ
濃いルビー色で、赤い果実の香り。タンニンがしっかりした骨格のある赤です。
- 産地
- バジリカータ州
- ぶどう品種
- アリアニコ
- カンティーネ・
デル・ ノタイオ「イル・ レペルトーリオ」Cantine del Notaio Il Repertorio - レ・
マンフレディ「レ・ マンフレディ」Re Manfredi Re Manfredi - ヴィニエティ・
デル・ ヴルトゥーレ「ピポリ」Vigneti del Vulture Pipoli
ピポリ・ アリアーニコ・ デル・ ヴルトゥーレ
凝縮したやわらかな果実味。濃厚ですが、飲みやすさのある赤です。
- ぶどう品種
- アリアニコ
- 輸入元
- 稲葉
同じバジリカータ州の赤です。果実味と酸が、油にくぐらせたパプリカの甘みと香ばしさに合います。
お酒は20歳になってから。

この料理について
ペペローニ・クルスキの原料は、バジリカータ州南西部、ポッリーノ山塊のふもとに広がるセニーゼ周辺で育てられる赤いパプリカです。地元の言葉では「ザファラン」と呼ばれてきました。サフランを思わせる色と、それに見合うだけの貴重さを重ねた呼び名です。実がひときわ甘く、皮が薄く、水分が少ない。この性質が土地の乾いた気候と結びついて、焦がさずに揚げられる乾物を生みました。1996年にはヨーロッパの地理的表示制度に登録されています。方言の「クルスコ」は、かりっとした、という意味。糸に通して吊るした束は「セルタ」と呼ばれ、晩夏の家並みを赤く彩ります。パスタにパン粉を合わせるのは、残ったパンを無駄にしない台所の知恵から来たもので、この一皿は農家の日曜の食卓に載ってきた料理です。
3つのレシピ、ひとつの料理
同じ料理を3つのレベルで。本格にどこまで寄せるかは、あなた次第です。
ペペローニ・クルスキのパスタを組み立てているのは、パスタ、乾燥パプリカ、パン粉、オリーブオイルの四つだけです。ソースらしいソースは作りません。というのも、パプリカを揚げた油そのものが、ソースの役目をすべて引き受けるからです。赤い色も、辛みのない甘い香りも、この油に移ります。手順が短いぶん、揚げる数秒の見極めがこの料理の要になります。
材料(4人分):調理時間30分
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| ストラスチナーティ | 400g |
| ペペローニ・クルスキ(乾燥パプリカ) | 8枚(約70g) |
| 田舎パンの中身 | 100g |
| エキストラバージンオリーブオイル | 100ml |
| 塩(ゆで汁用) | 適量 |
| カチョリコッタ(好みで) | 適量 |
作り方
-
田舎パンの中身(100g)を手でほぐし、粗いパン粉にします。 なお、粒がそろいすぎない方が、炒めたときに食感に幅が出ます。
-
ペペローニ・クルスキ(8枚)のへたを取り、中の種をていねいに落とします。 ポイントは、種を残さないことです。種が油に入ると苦みが移り、せっかくの甘い香りが隠れてしまいます。
-
フライパンにオリーブオイル(100ml)を中火で熱し、パプリカを1枚ずつ入れます。色が鮮やかな赤に変わり、全体がふくらんだら、3〜5秒ほどで引き上げます。 なお、この数秒を過ぎると一気に黒ずみ、出てしまった苦みは戻せません。1枚ずつ入れるのは、引き上げる瞬間を見逃さないためです。
-
引き上げたパプリカを紙の上に広げ、そのまま冷まします。冷めるにつれてパリッとした歯ざわりに変わります。
-
パプリカを揚げた油の半量を別のフライパンに移し、パン粉(100g)を弱火できつね色になるまで炒めます。残りの油は取っておきます。
-
大きな鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩(適量)を加えてストラスチナーティ(400g)を茹でます。
-
湯を切ったパスタに取っておいた油を回しかけ、パン粉の半量を加えて和えます。冷めたパプリカを手で粗く砕いて散らし、残りのパン粉をふって仕上げます。好みでカチョリコッタを削りかけます。
⚠️ やってはいけないこと
- 油の温度を上げすぎない: 数秒で黒く焦げ、苦みは取り返しがつきません。中火を保ちます。
- 種を残さない: 油に苦みが移り、甘い香りが立たなくなります。
- 煮込んだ赤いソースを足さない: この一皿の赤は、パプリカとその油だけから来ています。ソースを重ねると乾物の甘い香りが埋もれます。
- 乳製品でとろみをつけない: 油と炒めたパン粉が、全体をまとめる役目をすでに担っています。
ペペローニ・クルスキそのものは、日本のスーパーにはまず置いていません。輸入食材店か通販で手に入れることになりますが、届いてしまえば、あとは驚くほど短い時間で仕上がります。手打ちのパスタも田舎パンも、平日の夜には少しだけ遠い存在です。ここでは乾燥パスタと市販のパン粉に置き換えて、日常のペペローニ・クルスキのパスタの作り方を見ていきましょう。
主な変更点
- 手打ちのストラスチナーティ → 乾燥パスタのオレキエッテ(スーパーの乾麺売り場)
- 田舎パンの中身をほぐしたもの → 市販の生パン粉
- カチョリコッタ → 省略、または少量のパルミジャーノ・レッジャーノ
- ペペローニ・クルスキは代用できません。輸入食材店または通販での購入が前提です
材料(4人分):調理時間20分
| 材料(JP) | 元の名前(IT) | 分量 | どこで買えるか | 代用 |
|---|---|---|---|---|
| オレキエッテ(乾燥パスタ) | orecchiette | 400g | 乾麺売り場 | カサレッチェ、ペンネ |
| ペペローニ・クルスキ | peperoni cruschi | 8枚(約70g) | 輸入食材店・通販 | 代用不可 |
| 生パン粉 | mollica di pane | 100g | パン粉売り場 | 食パンの白い部分をほぐす |
| エキストラバージンオリーブオイル | olio extravergine d'oliva | 100ml | 油売り場 | なし |
| 塩(ゆで汁用) | sale | 適量 | どこでも | なし |
| パルミジャーノ・レッジャーノ(好みで) | cacioricotta | 適量 | 輸入食材コーナー | 省略可 |
作り方
-
ペペローニ・クルスキ(8枚)のへたと種を取り除きます。フライパンにオリーブオイル(100ml)を中火で熱し、1枚ずつ入れて3〜5秒、鮮やかな赤にふくらんだら引き上げ、紙の上で冷まします。 なお、乾物を熱い油にさっとくぐらせるこの手つきは、天ぷらで大葉を数秒だけ油に通すときの感覚にとても近いものです。水分の少ない乾物は火の通りが速いため、長く入れるほど良くなる揚げ物ではありません。
-
揚げ油の半量を別のフライパンに移し、生パン粉(100g)を弱火できつね色になるまで炒めます。カリッとしてきたら火を止め、残りの油は取っておきます。
-
鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩(適量)を加えてオレキエッテ(400g)を袋の表示時間どおりに茹でます。
-
湯を切ったパスタをボウルに移し、取っておいた油を回しかけます。パン粉の半量を加えてさっくりと和え、冷ましたパプリカを手で粗く砕いて散らし、残りのパン粉をふって仕上げます。
ヒント&コツ
- 砕くのは食べる直前に: 早く砕くと空気の湿気を吸うため、ぱりぱりした歯ざわりが鈍ります
- パン粉は少し多めに: 少ないと油だけが残ります。パスタ全体にうっすら衣がつくくらいが目安です
- 作り置き: 揚げたパプリカと炒めたパン粉は、それぞれ密閉して常温で2日ほど持ちます。前日に用意しておけば、当日は茹でて和えるだけです
次にバジリカータ州を訪れる機会があれば、内陸の食堂でこの一皿を頼んでみてください。乾いたパプリカが歯の間で崩れる感触は、輸入の袋を開けて作った自分の台所の記憶と、静かに重なるはずです。
よくある質問
ペペローニ・クルスキは辛いのですか? 辛くありません。原料は甘みの強いパプリカで、唐辛子とは別のものです。揚げることで甘さと香ばしさが立ち、辛みは出ません。
どこで買えますか? 日本の一般的なスーパーではほとんど扱っていません。輸入食材の専門店やオンラインの通販で見つかります。乾いた状態で届くので、そのまま常温で保存できます。
前日に作っておけますか? 揚げたパプリカと炒めたパン粉なら前日に用意できます。それぞれ密閉して常温に置き、当日はパスタを茹でて和えるだけです。ただし和えたあとは時間とともにパン粉が湿気るので、その日のうちにどうぞ。
子供でも食べられますか? 辛みがないので大丈夫です。パプリカの薄い皮が口に残ることがあるため、細かく砕いてあげると食べやすくなります。
この料理に合うワインや副菜は? バジリカータ州の赤ワイン、アリアニコ・デル・ヴルトゥレとよく合います。副菜には豆を煮たものや、焼いた野菜を合わせると土地の食卓に近づきます。
代用食材ガイド
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