リボッリータ
本場トスカーナでは硬くなったパンとカーボロネロ、白いんげん豆を煮込んで作るリボッリータ。手に入りにくい黒キャベツはケールで、日本のスーパーで揃う材料でも、パンがとろりと溶け込む滋味深い一杯に仕上げます。
公開日 · 更新日
- 調理時間
- 90分
- 人数
- 6名分
- 材料費
- 約¥1800
- 難易度
- ふつう
この料理に合うワイン
Cantina ワインの早見表 →キャンティ
明るいルビー色でスミレやチェリーの香り。辛口で塩味があり、タンニンは穏やかです。
- 産地
- トスカーナ州
- ぶどう品種
- サンジョヴェーゼ
- バディア・
ア・ コルティブオーノ「チェタムラ」Badia a Coltibuono Cetamura - フレスコバルディ「カスティリオーニ」Frescobaldi Castiglioni
チェタムラ・ キアンティ
明るいルビー色でチェリーやスミレの香り。酸が心地よく、後味はすっきりしています。
- ぶどう品種
- サンジョヴェーゼ
- 輸入元
- 日欧商事株式会社
パンと豆が溶けたとろみのあるスープに、若いキャンティの酸が口をすっきりさせます。穏やかなタンニンは野菜の甘みを邪魔しません。
お酒は20歳になってから。

3つのレシピ、ひとつの料理
同じ料理を3つのレベルで。本格にどこまで寄せるかは、あなた次第です。
リボッリータの骨格は、カーボロネロ、カンネッリーニ豆、そしてパンの三つです。乳製品のクリームは使わず、コクは豆の半量を潰して煮汁に溶かし込むことで生まれます。これはトスカーナの精進料理としての性格に根ざした選択であり、それぞれの素材の役割を理解すると、なぜ肉を加えないのかが見えてきます。
材料(6人分)
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| カンネッリーニ豆(乾燥) | 400g |
| カーボロネロ(トスカーナの黒キャベツ) | 400g |
| サボイキャベツ | 500g |
| スイスチャード | 200g |
| じゃがいも | 2個 |
| 玉ねぎ | 2個 |
| にんじん | 2本 |
| セロリ | 2本 |
| トマト | 300g |
| パン(パーネ・トスカーノ、塩を使わない硬くなった田舎パン) | 500g |
| エキストラバージンオリーブオイル | 適量 |
| 塩・黒胡椒 | 適量 |
作り方
1. 豆を戻す
カンネッリーニ豆(400g)は前日からたっぷりの水に12時間ほど浸けて戻しておきます。
2. 香味野菜を炒める
玉ねぎ(2個)、にんじん(2本)、セロリ(2本)を薄切りにし、鍋にオリーブオイルを引いて弱めの中火でしんなりするまで炒めます。
3. トマトと葉野菜を加える
トマト(300g)を刻んで加え、カーボロネロ、サボイキャベツ、スイスチャードを太めの帯状に切って鍋に入れます。
4. 豆と水を加えて煮る
戻した豆、じゃがいも(2個、ひと口大に切る)、塩少々を加え、具材がかぶるくらいの水を注ぎます。強火で沸騰させたら弱火に落とし、蓋をせずに1時間ほどコトコト煮ます。
なお、途中で水分が減りすぎたら、その都度水を足します。野菜と豆が指で楽に潰せるほどやわらかくなるまで煮るのが目安です。
5. 豆の半量を潰して戻す
鍋から豆と野菜をおたま一杯ぶんほど取り出し、フォークの背で潰してから鍋に戻し入れ、塩・黒胡椒で味を調えます。
なお、この一手間がリボッリータの決め手です。乳製品のクリームを使わずとも、潰した豆のでんぷんだけでスープに自然なとろみと丸みが生まれます。
6. パンと交互に重ねる
耐熱の器に、薄切りにしたパン(500g)とスープを交互に重ね入れ、最後はスープで覆うようにします。粗熱が取れたら蓋をして、できれば冷蔵庫で一晩置きます。
7. 翌日、もう一度煮立てる
器の中身を鍋に戻し入れ、弱めの中火で10分ほど煮立てます。パンが煮汁を吸ってとろりと溶け合ったら火を止めます。
8. 仕上げる
器に盛り、エキストラバージンオリーブオイルを一筋垂らして供します。
⚠️ やってはいけないこと
パンの代わりに麺類や米を使う
パンで作るからこそ「リボッリータ」です。麺類や米に置き換えると、別のトスカーナの汁物になってしまいます。
豆の半量を潰す工程を省略する
とろみと丸みが出ず、水っぽい仕上がりになります。この一手間こそが、乳製品のクリームなしでコクを出す技法です。
乳脂肪分の高い材料でコクを補おうとする
リボッリータは肉を使わない精進の日の料理として育った一皿です。コクは豆を潰す技法だけで十分に生まれます。
カーボロネロを柔らかい葉野菜だけに置き換える
苦みと骨太な食感が、この料理の輪郭を作っています。柔らかすぎる葉ではその輪郭が失われます。
カーボロネロやカンネッリーニ豆という名前には馴染みがなくても、材料のほとんどは日本のスーパーで手に入ります。前日に仕込んで一晩置き、翌日にもう一度温め直すだけなので、平日の合間に少しずつ仕込むのにも向いた一皿です。
主な変更点
| 項目 | L1(本格) | L2(日本での代用) | 妥協点 |
|---|---|---|---|
| カーボロネロ | トスカーナの黒キャベツ | ケール(青果コーナー、輸入野菜コーナー) | 葉がより柔らかく、苦味と骨太な食感がやや穏やかになる |
| カンネッリーニ豆 | 乾燥カンネッリーニ豆 | 白いんげん豆の水煮(豆・缶詰コーナー) | 豆の風味はやや異なるが、潰してとろみをつける技法はそのまま活きる |
| スイスチャード | スイスチャード | 小松菜またはほうれん草で代用 | 風味がまろやかになる |
| パン | パーネ・トスカーノ(塩不使用の硬くなった田舎パン) | 塩気控えめの田舎パンやバゲット(硬くなったもの) | 塩気があるぶん、ほかの調味料を控えめにする必要がある |
材料(6人分)
| 材料(JP) | 元の名前(IT) | 分量 | どこで買えるか | 代用 |
|---|---|---|---|---|
| 白いんげん豆(乾燥) | fagioli cannellini | 400g | 豆・乾物コーナー、輸入食材コーナー | 水煮の白いんげん豆缶(300g×2缶ほど)でも代用可 |
| ケール | cavolo nero | 400g | 青果コーナー、輸入野菜コーナー | — |
| キャベツ | cavolo verza | 500g | どこでも | サボイキャベツ(輸入食材店にあれば) |
| 小松菜 | bietola | 200g | どこでも | ほうれん草 |
| じゃがいも | patate | 2個 | どこでも | — |
| 玉ねぎ | cipolla | 2個 | どこでも | — |
| にんじん | carota | 2本 | どこでも | — |
| セロリ | sedano | 2本 | どこでも | 省略可 |
| トマト | pomodoro | 300g | どこでも | トマト缶でも可 |
| 田舎パン(硬くなったもの) | pane raffermo | 500g | ベーカリーコーナー | バゲットの硬くなったもの |
| オリーブオイル | olio EVO | 適量 | どこでも | — |
| 塩・黒胡椒 | sale e pepe | 適量 | どこでも | — |
作り方
-
白いんげん豆(400g、乾燥の場合は前日から水に浸けて戻しておく)を用意します。水煮缶を使う場合、この工程は不要です。
-
玉ねぎ(2個)、にんじん(2本)、セロリ(2本)を薄切りにし、鍋にオリーブオイルを引いて弱めの中火でしんなりするまで炒めます。
なお、玉ねぎ・にんじん・セロリをじっくり炒めて土台の香りを作るこの工程は、肉じゃがの下ごしらえで香味野菜を炒める感覚に近いものがあります。
-
トマト(300g)を刻んで加え、ケール、キャベツ、小松菜を太めの帯状に切って鍋に入れます。
-
白いんげん豆、じゃがいも(2個、ひと口大)、塩少々を加え、具材がかぶるくらいの水を注ぎます。強火で沸騰させたら弱火に落とし、蓋をせずに1時間ほどコトコト煮ます。途中で水分が減りすぎたら、その都度水を足します。
-
豆と野菜の一部をおたま一杯ぶんほど取り出し、フォークの背で潰して鍋に戻し入れ、塩・黒胡椒で味を調えます。
なお、じゃがいもと一緒に豆をここで潰すと、乳製品のクリームを使わなくても、スープに自然なとろみと丸みが生まれます。
-
耐熱の器に、薄切りにした田舎パン(500g)とスープを交互に重ね入れ、最後はスープで覆うようにします。粗熱が取れたら蓋をして、できれば冷蔵庫で一晩置きます。
なお、パンがスープを吸ってふっくらするこの工程は、みそ汁に入れたお麩がだしを吸って膨らむ感覚に近いものがあります。
-
翌日、器の中身を鍋に戻し入れ、弱めの中火で10分ほど煮立てます。パンが煮汁を吸ってとろりと溶け合ったら火を止めます。
-
器に盛り、オリーブオイルを一筋垂らして供します。
ヒント&コツ
- 一晩置く時間がなければ、作った当日にそのまま食べても構いません。ただし、パンとスープがなじむひと晩を置いたほうが、リボッリータらしい一体感が生まれます。
- 翌日以降のほうが味がなじんでおいしく感じられるので、多めに作って冷蔵庫で保存しておくのもおすすめです。
- 豆は水煮缶を使うと、浸水の手間なく仕込めます。
日本のスーパーの材料でも、パンと豆と黒っぽい葉野菜を一緒に煮込むという、この料理いちばんの骨格はしっかり再現できます。次にフィレンツェを訪れることがあれば、地元の食堂で湯気の立つ一皿を頼んでみてください。台所で一晩スープを寝かせた記憶と、静かに重なるはずです。
⚠️ ここで紹介するのは、コンビニの材料だけで作る簡易版です。パンと豆、青菜を煮込むという骨格は保ちますが、本来の味とは違います。それでも、疲れて帰った夜に温まる一杯があることの価値は、変わりません。時間のある週末には、日常レシピ(L2)もぜひ試してみてください。
材料(1人分)
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| カット野菜ミックス(にんじん・キャベツ・玉ねぎなど、汁物用) | 1袋 |
| 冷凍ほうれん草 | 小1袋 |
| 蒸し大豆または白いんげん豆のパウチ | 1袋 |
| コッペパンまたはロールパン(硬めのもの) | 1個 |
| トマトペースト(チューブ) | 小さじ2 |
| オリーブオイル | 適量 |
| 塩・こしょう | 適量 |
作り方
- 鍋にオリーブオイル(適量)を熱し、カット野菜ミックス(1袋)を入れてしんなりするまで炒めます。
- 水(300ml程度)とトマトペースト(小さじ2)、蒸し大豆(1袋)、冷凍ほうれん草(小1袋)を加え、7〜8分ほどぐつぐつ煮ます。
- ちぎったコッペパン(1個)を加え、パンがとろとろにふやけるまで2〜3分煮て、塩・こしょう(適量)で味を調えます。
- 器に盛り、オリーブオイル(適量)を垂らして完成です。
時間に余裕のある日には、日常レシピ(L2)で、パンと豆をひと晩なじませる本来の作り方も、ぜひ試してみてください。ひと味違うおいしさに出会えるはずです。
よくある質問
Q. 前日に作っておけますか? A. リボッリータはむしろ前日に仕込むのがおすすめです。一晩置いてパンとスープをなじませ、翌日にもう一度煮立てて仕上げるのが、名前の由来にもなっている本来の作り方です。
Q. 冷凍できますか?どのくらい日持ちしますか? A. 冷蔵で2〜3日ほど日持ちします。パンが入ったスープは冷凍すると食感が変わりやすいので、できれば冷蔵で早めに食べきるのがおすすめです。パンを加える前の状態なら、冷凍にも向いています。
Q. カーボロネロが手に入らないときは? A. ケールで代用できます。苦味と骨太な食感はやや穏やかになりますが、黒っぽい葉野菜という骨格は保たれます。柔らかい葉野菜だけに置き換えると、印象がかなり変わってしまいます。
Q. 子供でも食べられますか? A. 肉や強い香辛料を使わない、野菜と豆が中心のやさしい味わいなので、子供にも食べやすい一皿です。
Q. この料理に合うワインや副菜は? A. トスカーナの軽やかな赤ワインとよく合います。シンプルに焼いたパンや、オリーブオイルをかけた温野菜を添えるだけでも、十分に食卓が整います。
代用食材ガイド
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