ミラノ風ミネストローネ
小麦の麺ではなく米を土台にするのが特徴の、ミラノ風ミネストローネ。本場のラードやグラナ・パダーノの代わりに、ベーコンや粉チーズなど日本のスーパーで揃う材料で、野菜と米がとろりと溶け合う滋味深い一杯に仕上げます。
公開日 · 更新日

- 調理時間
- 150分
- 人数
- 4名分
- 材料費
- 約¥1600
- 難易度
- ふつう
この料理に合うワイン
Cantina ワインの早見表 →ルガーナ
青りんごや柑橘、白い花の香り。酸がいきいきとした辛口の白です。
- 産地
- ロンバルディア州
- ぶどう品種
- トゥルビアーナ
- カ・
デイ・ フラーティ「イ・ フラーティ」Ca' dei Frati I Frati - ゼナート「サン・
ベネデット」Zenato San Benedetto
ルガーナ プレステージ
青りんごやライム、白こしょうの香り。いきいきとした辛口の白です。
- ぶどう品種
- トゥルビアーナ
- 輸入元
- 株式会社フードライナー
若い辛口の白の酸が、じっくり煮た野菜の甘みとラードのコクを引き締めます。軽やかなので、具だくさんのスープにも重くなりません。
お酒は20歳になってから。

3つのレシピ、ひとつの料理
同じ料理を3つのレベルで。本格にどこまで寄せるかは、あなた次第です。
ミラノ風ミネストローネの骨格は、米、そして豚の脂で仕込む土台の二つにあります。仕上げにじゃがいもを鍋の中で潰してとろみをつけるのも、この料理を特徴づける工程です。伝統的な作り方では、豚の皮を土台に加えて煮込み、コクをさらに深めます。ここでは、家庭の鍋でも再現しやすい形で、その骨格に忠実なレシピをご紹介します。
材料(4人分)
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 米(マラテッリ種またはオリジナリオ種) | 150g |
| ラード | 40g |
| にんにく | 1かけ |
| パセリ | ひとつかみ |
| 玉ねぎ | 1個 |
| セロリ | 1本 |
| にんじん | 3本 |
| じゃがいも | 3個 |
| ズッキーニ | 2本 |
| サボイキャベツ | 1/2玉 |
| ボルロッティ豆(乾燥、たっぷりの水に48時間浸けたもの) | 40g |
| 完熟トマト | 3個 |
| バジル(夏場、あれば) | 数枚 |
| セージ | 2〜3枚 |
| 塩 | 適量 |
| 水 | 約2L(具材がかぶる量) |
| グラナ・パダーノ(すりおろし) | 好みで多め |
作り方
1. 香味ペーストを作る
にんにく(1かけ)とパセリ(ひとつかみ)をみじん切りにし、ラード(40g)とともに包丁で叩き合わせ、ペースト状にします。
2. 野菜を切る
玉ねぎ、セロリ、にんじんはみじん切り、じゃがいもは皮をむいて丸ごと、ズッキーニは大きめの角切りにします。
3. 土台を煮る
鍋に香味ペースト、玉ねぎ、セロリ、にんじん(3本)、じゃがいも(3個)、ボルロッティ豆(40g)、塩少々を入れ、具材がかぶるくらいの水(2L程度)を注ぎます。強火にかけて沸騰したら弱火に落とし、蓋をせずに2時間ほどコトコト煮ます。
なお、ここで気長に煮込むほど、豆とじゃがいもの澱粉が溶け出し、あとでスープにとろみをつける下地になります。
4. キャベツとズッキーニを加える
サボイキャベツを太めのざく切りにし、ズッキーニ(2本)とともに鍋に加え、さらに10分ほど煮ます。
5. 米を加える
米(150g)を加え、ときどき底から混ぜながら18〜20分ほど、米の芯が少し残る程度まで煮ます。じゃがいもが指で楽に潰せるくらいやわらかくなったら、フォークの背などで鍋の中で軽く潰し、スープにとろみをつけます。
なお、この一手間がミラノ風ミネストローネの決め手です。米の芯を少し残して火を止めるのは、余熱でちょうど良い硬さに落ち着くためです。
6. 仕上げる
刻んだトマト(3個)とセージ(2〜3枚)を加えてひと煮立ちさせ、塩で味を調えます。夏場ならバジルの葉を仕上げに散らします。
7. 盛り付ける
器に盛り、グラナ・パダーノをたっぷりかけて供します。
⚠️ やってはいけないこと
米の代わりに乾麺を入れる
ジェノヴァ風のミネストローネと混同しがちですが、ミラノ風は米が主役です。麺に置き換えると、まったく別の一皿になってしまいます。
バジルとにんにくをすり潰したソースで和える
そうしたソースは、ジェノヴァ風の顔となる要素です。ミラノ風は豚の脂とグラナで仕上げる、系統の異なる料理です。
米を早い段階で加える
野菜がまだ硬いうちに米を入れると、煮え上がるころには米がのびすぎてしまいます。野菜がやわらかくなってから加えるのが順序です。
じゃがいもを潰さずに仕上げる
とろみのないさらさらしたスープになり、ミラノ風の持ち味である濃度が出ません。
ラードやサボイキャベツこそ聞き慣れないかもしれませんが、揃える材料のほとんどは日本のスーパーで手に入ります。何時間も鍋の前に張り付いている必要はありません。合間に別の家事をしながら、ときどき鍋をのぞきに戻る——それくらいの気楽さで作れる一皿です。
主な変更点
| 項目 | L1(本格) | L2(日本での代用) | 妥協点 |
|---|---|---|---|
| 米 | マラテッリ種/オリジナリオ種 | 国産のうるち米 | 粘りがやや強く出るが、スープの一体感はむしろ増す |
| ラード | 純粋なラード | 脂身の多い厚切りベーコンをみじん切りで代用 | 脂の純粋な丸みはやや失われるが、燻製の香りが加わる |
| ボルロッティ豆 | 乾燥または生のボルロッティ豆 | 金時豆の水煮缶で代用 | 豆の甘みがやや強く出るが、食感は近い |
| グラナ・パダーノ | 輸入食材コーナー | 手に入らなければ粉チーズ(パルメザン) | 香りがやや平坦になる |
材料(4人分)
| 材料(JP) | 元の名前(IT) | 分量 | どこで買えるか | 代用 |
|---|---|---|---|---|
| うるち米 | riso | 150g | どこでも | — |
| 厚切りベーコン | lardo | 40g | 精肉コーナー | — |
| にんにく | aglio | 1かけ | どこでも | — |
| パセリ | prezzemolo | ひとつかみ | 青果コーナー | — |
| 玉ねぎ | cipolla | 1個 | どこでも | — |
| セロリ | sedano | 1本 | どこでも | — |
| にんじん | carota | 3本 | どこでも | — |
| じゃがいも | patate | 3個 | どこでも | — |
| ズッキーニ | zucchina | 2本 | 青果コーナー/輸入野菜 | — |
| キャベツ | cavolo verza | 1/2玉 | どこでも | サボイキャベツ(輸入食材店にあれば) |
| 金時豆(水煮缶) | fagioli borlotti | 120g | 豆・缶詰コーナー | 輸入食材店の乾燥ボルロッティ豆 |
| トマト | pomodoro | 3個 | どこでも | トマト缶でも可 |
| バジル | basilico | 数枚 | 生鮮ハーブ売り場 | チューブ入りバジル |
| セージ | salvia | 2〜3枚 | ハーブ売り場、輸入食材コーナー | 省略可 |
| 塩 | sale | 適量 | どこでも | — |
| 粉チーズ | grana padano | 好みで多め | 輸入食材コーナー/チーズ売り場 | パルメザン粉チーズ |
作り方
-
にんにくとパセリをみじん切りにし、脂身の多い厚切りベーコンをみじん切りにしたものと合わせて包丁で叩き、香味ペーストを作ります。
なお、脂身の多いベーコンをみじん切りにして使うと、香りに燻製のニュアンスが加わります。
-
玉ねぎ、セロリ、にんじんはみじん切り、じゃがいもは皮をむいて丸ごと、ズッキーニは大きめの角切りにします。
-
鍋に香味ペースト、玉ねぎ、セロリ、にんじん(3本)、じゃがいも(3個)、金時豆(120g)、塩少々を入れ、具材がかぶるくらいの水(2L程度)を注ぎます。強火にかけて沸騰したら弱火に落とし、蓋をせずに2時間ほどコトコト煮ます。
なお、豚の脂で野菜を長く煮込む工程は、豚汁の下ごしらえに近いものがあります。脂のコクが野菜全体に回っていく様子をイメージすると、火加減がつかみやすくなります。
-
キャベツを太めのざく切りにし、ズッキーニ(2本)とともに鍋に加え、さらに10分ほど煮ます。
-
米(150g)を加え、ときどき底から混ぜながら18〜20分ほど、米の芯が少し残る程度まで煮ます。じゃがいもが指で楽に潰せるくらいやわらかくなったら、フォークの背などで鍋の中で軽く潰し、スープにとろみをつけます。
なお、米をスープの中でそのまま煮る工程は、雑炊を作るときの感覚に近いものがあります。米がだしを吸ってふっくらと膨らむように、ここでもスープの旨みを吸わせるつもりで火を通します。
-
刻んだトマト(3個)とセージ(2〜3枚)を加えてひと煮立ちさせ、塩で味を調えます。夏場ならバジルの葉を仕上げに散らします。
-
器に盛り、粉チーズ(またはグラナ・パダーノ)をたっぷりかけて供します。
ヒント&コツ
- 一度に多めに作って冷蔵庫で保存しておくと、味がなじんで翌日以降のほうがおいしく感じられます。
- 豆は水煮缶を使うと、浸水の手間なく仕込めます。
- 仕上げの粉チーズを惜しまずかけると、ミラノ風らしい満足感に近づきます。
スーパーの材料でも、麺を使わず米で仕上げるという、この料理いちばんの個性はきちんと再現できます。次にミラノを訪れることがあれば、地元の食堂で湯気の立つ一皿を頼んでみてください。台所で何時間も鍋を見守った記憶と、静かに重なるはずです。
⚠️ ここで紹介するのは、コンビニの材料だけで作る簡易版です。米と野菜、豚の脂という骨格は保ちますが、本来の味わいとは違います——それでも、疲れて帰った夜に温かい一皿があることの価値は、変わりません。時間のある週末には、日常レシピ(L2)もぜひ試してみてください。
材料(1人分)
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| カット野菜ミックス(にんじん・キャベツ・玉ねぎなど、汁物用) | 1袋 |
| ベーコン | ハーフ2〜3枚 |
| パックご飯 | 半パック |
| ミックスビーンズ(缶詰) | 大さじ3 |
| トマト缶またはトマトペースト(チューブ) | 大さじ2 |
| 粉チーズ | 適量 |
| 塩 | 適量 |
作り方
- 鍋にベーコン(ハーフ2〜3枚)を入れて軽く炒め、脂を出します。
- カット野菜ミックス(1袋)を加えて炒め合わせます。
- 水(300ml程度)とトマト缶(大さじ2)、ミックスビーンズ(大さじ3)を加え、10分ほど煮ます。
- パックご飯(半パック)を崩し入れ、とろとろになるまで2〜3分煮て、塩で味を調えます。
- 器に盛り、粉チーズをかけて完成です。
時間に余裕のある日には、日常レシピ(L2)で、米を土台から一緒に煮込む本来の作り方も、ぜひ試してみてください。ひと味違うおいしさに出会えるはずです。
よくある質問
Q. 麺を入れてもいいですか? A. ミラノ風ミネストローネの骨格は米です。麺を使うと、ジェノヴァ風など麺状の主食が主役の別のミネストローネに近づいてしまいます。両方を同じ鍋で作り分けると、それぞれの個性がよくわかります。
Q. 冷凍できますか?どのくらい日持ちしますか? A. 冷蔵で2〜3日ほど日持ちします。米が入ったスープは冷凍すると食感が変わりやすいので、できれば冷蔵で早めに食べきるのがおすすめです。米を入れる前の状態で分けて冷凍しておき、食べる直前に米を加えて煮る方法も向いています。
Q. 前日に作っておけますか? A. 野菜と豆の土台までなら前日に仕込んでおくのがおすすめです。一晩置くと味がなじみ、食べる直前に米を加えて煮るだけで仕上がります。
Q. 夏にはどうやって食べますか? A. ミラノでは、器に薄切りのパンチェッタを一枚敷いてから熱いスープを注ぎ、冷めたら皿にひっくり返して食べる、冷製の食べ方も伝わっています。夏野菜が出回る季節には、試してみる価値があります。
Q. 子供でも食べられますか? A. 野菜と米が中心のやさしい味わいなので、子供にも食べやすい一皿です。辛味や強い香辛料は使いません。
代用食材ガイド
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